もし次の旅行をサステナブルにするとしたら、どんなホテルを選び、どんなレストランで食事をして、どんな店を訪れるだろう?
まだ訪れたことのない場所で、サステナブルな選択肢をみつけることは簡単ではない。そもそも、どんなスポットを選べばサステナブルな旅ができるのか分からないという人もいるだろう。
実際、サステナブルに旅をしたいと思っていても、そのための選択肢が少ないと感じている旅行者は世界中にいる。
Booking.comが発表したサステナブル旅行レポート2021によると、世界中の旅行者の83%は「旅を持続可能にすることが不可欠だ」と考えているが、49%の旅行者が「そのための選択肢が十分でない」と答えたという。(※1)
そんな世界中の旅行者同士で、旅のサステナブルな選択肢を共有し合える旅行プラットフォームが、デンマーク発の「TripDoodler」だ。
TripDoodlerでは、世界中のコンシャス・トラベラーたちが旅行先で実際に訪れた宿泊施設、飲食店、ショップのサステナビリティを評価・レビューし、共有してくれる。
ユーザーは評価したい場所を見つけたら、TripDoodlerが用意したサステナビリティについてのシンプルな質問に「はい」、「いいえ」、「分かりません」のどれかで答えていくだけでレビューができる仕組みだ。現在はヨーロッパ各地を中心に、2000以上のスポットが評価されている。
評価の項目は下記の4つのパラメータに分かれており、それぞれが分かりやすく数字とキーワードでレートされる。
1.Green Practice(環境への配慮)
公共交通機関でアクセスしやすいか、水・電気・エネルギー・資源の利用やCO2排出、プラスチックフリーに配慮しているかなど。
2.Food / Drinks(食べ物と飲み物)
ヴィーガンやベジタリアンメニューがあるか、牛肉を使用しないメニューが中心となっているか、オーガニック食材の使用が明記されているかなど。
3.Community Impact(コミュニティへの影響)
ローカルで作られたものを積極的に採用・販売しているか、社会貢献プログラムに参加しているか、庭や屋上などの緑地化に取り組んでいるかなど。
4.Sustainable Business(ビジネスのサステナビリティ)
サステナブル・ゴールに向けて取り組んでいるか、フェアトレード製品を取り入れているか・販売しているかなど。
このパラメータはTripDoodlerがサステナビリティコンサルタントと協力し作成したもので、ユーザーは質問に答えながら、旅をサステナブルにするための着眼点も同時に学ぶことができる。
TripDoodlerは旅をサステナブルにするためには「環境」、「社会文化」、「経済」すべてに対する影響を考えることが重要だとしている。そこでレビューページの質問ひとつひとつには、その“選択”が環境や社会、経済にどのようなインパクトを与えるかも具体的に示されている。
日本の情報はまだまだ少ないが、持続可能に旅をして、世界をより良くしたいと考える旅行者同士がお互いに助け合えるプラットフォームTripDoodlerで、同じ思いをもった世界の旅行者たちとゆる〜くつながりながら、次回の旅に向けて持続可能なオプションを探索してみるのはいかがだろう。
TripDoodler
https://www.tripdoodler.com
(※1)Booking.com/サステナブル旅行レポート2021
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Arisa Kawano
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