南三陸町のサステナブルな暮らしをご紹介。「いのちめぐる南三陸」で環境に配慮した旅のスタイルを学ぼう

宮城県の北東部に位置する南三陸町。青い海と緑の山々が織りなすコントラストが鮮やかな色彩を奏でる美しい里海里山の町だ。

南三陸町は、東日本大震災後に環境・社会に配慮したASC/FSC国際認証の両方を世界で初めて取得した。以降も、生ごみの資源化に取り組むなど環境への配慮に先進的な取り組みを行っている。2022年2月からは各宿泊施設で町のサステナブルな取り組みをまとめた冊子「いのちめぐる南三陸」を部屋で読んでいただけるように設置を開始した。

冊子「いのちめぐる南三陸」では、地域の事業者の取り組みを紹介し、いかにして地域の循環・自然との共生が旅行体験と両立して提供しているのか解説をしている。東日本大震災で南三陸町は甚大な被害を受けたが、町の事業者たちはその困難に屈することなく、自然と共生する方法で復興を遂げてきた。現在、自然と共生しながらお客様にとって安全で思い出に残る体験を提供しようと取り組んでいる。それら体験のすべてが、「南三陸町を発展させ、その持続可能性を高める」という強い意志の共有に繋がる。冊子を手にすることでサステナブルな旅とはどんな旅なのか、じっくりと考えるきっかけになるだろう。

南三陸町でサステナブルツーリズムを実践する方法をご紹介

南三陸町が取り組んでいるサステナブルな取り組みの実践例をご紹介する。

1.日本初!環境に配慮した養殖の国際認証(ASC)を取得「戸倉っこかき」を購入

2016年3月30日、宮城県漁業協同組合志津川支所の戸倉出張所(南三陸町)が手掛けるカキ養殖が、日本で初となるASC(水産養殖管理協議会)の国際認証を取得。ASC認証は、環境や地域社会に配慮した養殖業だけが取得できる仕組みだ。今回の認証取得は、東日本大震災の津波被害により壊滅的な打撃を受けた南三陸の漁業を復興させる取り組みの一環として、南三陸町戸倉地区で漁業を営む漁師達が目指してきたもの。海の環境に配慮した養殖の実現に向けた試みとなっている。

【南三陸町内での購入可能場所】
松岡水産
《住所》宮城県本吉郡南三陸町戸倉字長須賀18-5
《定休日》不定休
《営業時間》9:00~17:00
《電話番号》0226-25-8762
【オンラインでの購入場所】
南三陸町観光協会公式サイト「みなみな屋eマルシェ」

2.生ごみを液肥にする取り組み「南三陸BIO」に参画している飲食店・宿泊店を利用

南三陸町内に拠点を置くアミタ株式会社が「南三陸BIO(ビオ)」と称して、南三陸町の住宅や店舗から排出される生ごみやし尿汚泥等、有機系廃棄物を発酵処理し、バイオガスと液体肥料(以下液肥)を生成している。バイオガスは発電に用いるなど施設内で利用し、液肥は肥料として農地に散布。この事業により、これまで廃棄物として処理されていた地域の生ごみの資源循環を促進に繋がっている。

南三陸町内の宿泊施設「下道荘(したみちそう)」では、南三陸BIOの取り組みとして生ごみを資源化していることはもちろん、南三陸BIOで生成された液肥を活用した米作りも行っている。宿泊客にとっては、環境を配慮した美味しい自家製米が食べられることも楽しみのひとつだ。

南三陸BIOの取り組みに関して

【南三陸BIOに参画している宿泊施設の予約】
南三陸町観光協会公式予約サイト みなたび

3.南三陸産の食材でヴィーガン料理!「南三陸お宿御膳」にてランチ

温室効果ガスに多大な影響を与えている畜産業でつくられる食材ではなく、プラントベースの食生活にシフトする動きが見られている。

2021年に提供を開始した町内宿泊施設での地産地消のランチプラン「南三陸お宿御膳」では、海鮮が名物の民宿ランチメニューだけではなく、里山の恵みを活かしたヴィーガンランチも提供している。地域の食材を楽しむことにより、輸送で排出する二酸化炭素の削減にも寄与することが可能だ。
南三陸お宿御膳に関して

【ヴィーガン対応、精進イタリアンランチ「南三陸お宿御膳」の予約】
南三陸町観光協会公式予約サイト みなたび

4.学校や会社の教育旅行として「南三陸SDGsアクティブラーニング」を受講

自分自身の生活に直結している「食」に関する課題を、南三陸町の漁業・海の環境を通して考えるプログラム。養殖現場を見学し、現役漁師から直接話を聞くことで見えてくる身近な課題を自分ごとに置き換え、解決策に思いをめぐらせる。グループディスカッションから発表までを行い、他のアイデアにも触れることでさらに深い探求に結び付く。深く学んだ後は、南三陸の海鮮がよりおいしく感じられることだろう。

【プログラム概要】
所要時間:150分
定員:10名~40名
※最大人数については別途ご相談ください。
講師:サスティナビリティセンター代表理事・太齋彰浩氏
料金:1名7,700円
服装:乗船体験があるため、動きやすい服装と靴。帽子、防寒着、少雨決行のため雨合羽。(傘不可)
開催場所:町内指定の公民館や漁港
注意事項など:事前に乗船やワークショップのグループ分けをお願いします。
南三陸町体験学習プログラム公式サイト

地域の暮らしを知ってサステナブルな旅をしよう

環境に配慮したサステナブルな旅は、まずは地域の暮らしを知ることから始まる。そこから体験して感じたことを自分事にすることの大切さを感じるだろう。「いのちめぐる南三陸」を手に取り、まずは南三陸町を体感しに行ってみよう。

【参照サイト】南三陸町観光協会