沖縄ローカルおすすめ!地元民が通うエシカル・オーガニックなお店5選

ハッピーモア市場

旅先の文化や生活を身近に感じる一つの方法は「買い物」だ。

大型ショッピングモールやスーパーではなく、その土地のローカルに長く愛される場所を訪れると、土地固有の食文化や自然環境に対する考え方などに触れられる機会も多い。

また、そうした地域の人が日常的に利用する地産のものを多く扱う場所で買い物をすることは、外から訪れた自分自身がより深くその土地を理解することにつながるだけでなく、地域で活動する人を応援したり、地域の自然環境の未来に投資することにもつながる。

今回は海洋プラスチック問題への課題意識からサステナブルなライフスタイルを実践中の沖縄ローカルである筆者が、ローカルが通う沖縄県のエシカル・オーガニックなお店5つ紹介する。ぜひ気になるものがあれば、訪れてみてほしい。

1. LOVE ORGANICS&BIRTHCAFE(読谷村)

「毎日続けられるオーガニック」をコンセプトに、日々の暮らしに溶け込むような、日常生活に取り入れやすい商品ラインナップが特徴のオーガニックショップ。

沖縄のオーガニックショップの先駆けである「ナチュラル&オーガニック食品のお店 グリーンリーフ」の2号店として、2015年にオープン。以来、地元民から観光客まで長年愛されたお店は、2021年に現在の「LOVE ORGANICS&BIRTHCAFE」としてリニューアルオープンした。

このお店は「バルクショップ(量り売り店)」という面を持っており、ドライフルーツ・ナッツ・豆・パスタ・オートミール・カカオ豆・チョコチップ・ポップコーンなどを1gから購入できる。「食べてみたいけど量が多い」というものでも、量り売りなら問題ない。

また、県内でも珍しい「搾りたてピーナッツバター」を求めて通う地元民も多い。生の有機ピーナッツが入った機械のスタートボタンを押すと、搾りたてのピーナッツバターがソフトクリームのように出てくる。ピーナッツ純度100%の搾りたてピーナッツバターは、鼻から抜けるナッツの香ばしい香りにまず驚く。こっくりとした、ピーナッツ本来の優しい甘さは、市販のものではなかなか味わえない。

ちなみに、量り売り商品やピーナッツバターを入れる容器は持ち込みできる。使い捨ての容器ではなく、持参のタッパーやジャムの空瓶などに入れれば、ごみゴミゼロでの買い物が可能だ。

さらに、併設のカフェ「BIRTHCAFE」で提供されるメニューに用いられる食材は、店内で販売しているものも多い。一度カフェで食べてからショップで購入するというのもおすすめだ。

“BIRTHCAFEで食事をすることでイキイキ細胞「誕生」のお手伝いができるように”、という意味が込められたカフェのメニューは、アサイーボールやサラダなど、どれも栄養満点で、ココロもカラダも喜ぶようなものばかり。ヴィーガン対応しているカレーや大豆ミートを用いたベジラーメンもある。天気のいい日には、緑が揺れる心地よいテラスでゆっくりするのもよいし、テイクアウトをして、近くの海岸沿いで目の前に広がる景色と共に楽しむのもおすすめだ。

住所 沖縄県中頭郡読谷村字瀬名波224-17
営業時間 10:00-19:00
HP https://www.birthorganics.com/
2. ハッピーモア市場(宜野湾市)

ハッピーモア市場

筆者撮影

「小さな農家の応援隊、ハッピーモア市場」をコンセプトとして、“ハッピーモア市場に来ると、なぜか元気になる”と言われるお店づくりを目指している、オーガニックショップ。

ハッピーモア市場に足を踏み入れると、色とりどりの有機野菜や商品がずらりと並び、スタッフの方の明るい声と笑顔溢れる空間が広がる。今はこうして訪れる人を元気にさせるお店となったが、創業当初は売り場に野菜が集まらない時期もあったのだとか。その状況を何とかしなくてはと相談した一人の農家からアドバイスをもらい、農家の方々の想いを一つひとつ聞き、毎日彼らとコミュニケーションをとりはじめた。そうしたところから農家との間に信頼関係ができたことで、今のハッピーモア市場では新鮮で安全な野菜が揃っているのだ。

オーガニック食品など、様々な商品を取り扱っているが、ハッピーモアといえば、やはり「野菜」。ここでは旬の島野菜や農家がこだわってつくったた無農薬・自然農野菜を購入できる。

ハッピーモア市場は野菜愛に溢れている。それは野菜コーナーを見るとすぐにわかる。
なんと野菜一つ一つに、スタッフ手書きの野菜紹介ダンボールパネルがついているのだ。そのパネルを見ると「どんな場所で、どのように育ったか」「おすすめの食べ方」「何が身体にいいのか」など、まるで農家の野菜愛を市場スタッフがそのまま代弁しているかのように、パネルはぎっしりと文字とイラストで彩られている。

また、手軽にハッピーモア市場の野菜を楽しめるようと、オリジナルフードも充実している。
特に「野菜・自家製酵素・採れたて薬草」がふんだんに入ったスムージーを一口飲めば、沖縄のうだるような暑さや疲れが吹き飛ぶようだ。
小松菜やバナナが入った飲みやすい「野菜スムージー」から、よもぎや薬草酵素が入った上級者向けの「スペシャル薬草スムージ」まで、常時4〜5種類ある。どれにしようかと悩むと思うが試飲させてもらうこともできるので、迷った際はスタッフの方に相談しながら、今日の一杯を選ぶのもおすすめだ。

さらに、ハッピーモア市場の野菜愛は留まることを知らず「ハッピーお野菜レスキュー隊」という食品ロス問題にも取り組んでいる。「虫食いや災害の影響で規格外になった」「収穫量が多すぎる」「売り先がない」など、様々な理由で廃棄される野菜や果物で困っている農家さんを助け、できる限り食品ロスをなくすという取り組みだ。ハッピーモア市場に行き、スムージーを飲んだり、オリジナルフードを食べることなどを通して、野菜愛あふれる地元の農家さんを応援してみてはどうだろうか。

住所 沖縄県宜野湾市大山7-1350-81ぎのわんゆいマルシェ内
営業時間 10:00-18:00
HP https://happymore.jp/
3. オーガニック市場てんぶす(沖縄市・那覇市)

オーガニック市場てんぶす

引用元:オーガニック市場てんぶす

「田舎のおばーの商店のような笑顔と温もりのあるお店づくり」を心がけている、ココロとカラダに優しいオーガニック専門店。お店の近くには住宅街だけでなくホテルもあるため、地元民や観光客問わず、たくさんの人が訪れる。

「様々な想いを持った人が、情報に振り回されず、オーガニックをもっと身近なものに感じて欲しい」という想いから、「人間を安心で安全な生活に導いてくれる全アイテム」をオーガニックと再定義し、店内商品をこのような価値基準でセレクトしている。

カラダにいいものや環境負荷が少ないものを選ぼうとすると、膨大な情報に振り回され「結局、どれがいいの?」と疲れてしまうことがある。そんな時、てんぶすを訪れると情報に振り回されず「ここを訪れれば間違いない」と思わせてくれる頼れる存在だ。

地元民や観光客だけでなく、気軽にオーガニックを取り入れたい人、美容に気を使っている人、環境問題に関心がある人など、ニーズを問わず多くの人が訪れる理由は、その品揃えにある。

例えば、手作りのお弁当。てんぶすでは、有機野菜と発酵玄米を使用した「デトックス弁当」や、玄米おにぎりなど手作りの食事を販売している。ホテルの近くにお店があるため、購入していく旅行客が多いのだそう。

また、沖縄県内で作られた食品も多く取り扱っている。てんぶす15周年の記念に、県内のクラフトビール店や沖縄野草店とコラボした「ムイヌグスージ(森の宴)」は、沖縄北部のやんばる野草が6種類ブレンドされており、フルーティーでハーブ感漂う、自然体になれる一杯だ。「今日は疲れたからホテルで過ごそうかな」という夜の晩酌におすすめだ。

さらに、てんぶすでは県内でも珍しい「ホメオパシー商品」を購入できる。ホメオパシーとは自然治癒力を高めるための補完・代替医療だ。例えば、植物や鉱物を高度に希釈した液体を小さな砂糖玉に染み込ませた薬のようなものある「レメディー」は、人本来の自然治癒力に働きかけ、根本から回復を促す。赤ちゃんや妊婦さんでも安心して使うことができるものだ。そのほか、「マザーサンクチャー」や「ホメオパシー関連商品」など、幅広く取り揃えている。

旅先では、環境の変化でいつの間にか疲れてしまうことも多い。そんな時にホメオパシーを扱うお店があるのはありがたい。「てんぶすにはあるのでは」品揃えの多さが、地元民の頼れる場所、旅先にあると安心する場所となっている理由ではないだろうか。

住所 【泡瀬本店】沖縄県沖縄市比屋根2-2-8
【那覇店】那覇市牧志2-23-20 高良アパート1F
営業時間 平日 9:30-18:30 日・祝 11:00-16:00
HP https://www.tenbusu.ryukyu/
4. ハルラボ商店(那覇市)

「うちなーの『食』をもっと元気に、健康に!」がコンセプトのハルラボ商店は、古民家の一軒家。靴を脱いであがるスタイルは、なんだか親しい人の家にあがるような気分になる。

高い天井と木の温もりが心地いい店内には時間がゆっくりと流れており、ついつい時間を忘れて並んでいる商品を眺めてしまう。

商品ラインナップには強いこだわりがあり、沖縄県産無農薬・無化学肥料の自然栽培野菜と、普段使いの安全で美味しい食材を、家族の食卓を守る主婦目線で選んでいる。

そうした彼らの食材へのこだわりを味わうなら、ハルラボ商店の食材を使った手作りのお惣菜を楽しめる「ハルラボ・キッチン」がおすすめ。具材のレパートリーが多い「玄米おにぎり」、メインの「鶏もも肉の唐揚げ」、副菜には「小松菜のナムル」「台湾風タタキきゅうり」と、ハルラボ・キッチンの惣菜を組み合わせて栄養満点のオリジナルプレートを作りたくなる。メニューは日替わりで、ハルラボ商店の公式サイトにメニューがのることもあるので、訪れる前にぜひチェックしたい。

また、「珍しい県産品との出逢い」もハルラボ商店を訪れる一つの楽しみだ。
例えば、ベアーズネイチャーファームのオリーブオイル。やんばる地域で栽培されたオリーブを使用しており、オーナー自らが農家を直接訪ねて探した商品の一つだ。

このような掘り出し物と出合えるのがハルラボ商店の魅力。「あの人に珍しいプレゼントをあげたいな」と思ったら、ハルラボ商店をぜひ訪れてみては。

住所 沖縄県那覇市銘苅3-4-1
営業時間 11:00-18:00(火曜〜土曜)
HP http://hallab.pecori.jp/
5. 浮島ガーデン(那覇市)

浮島ガーデン

引用元:浮島ガーデン

「100年、200年先の未来の人々に美しい沖縄、地球を残したい」という想いを持ち、食を通して環境問題を解決するべく活動しているのが、ヴィーガン料理・商品を提供する「浮島ガーデン」だ。

2011年のオープン以来、沖縄の有機野菜や穀物、伝統製法調味料・油を使用したマクロビオテックベースのヴィーガン料理を提供している。

そんな浮島ガーデンの「食材」や「食に関わるすべての行動」には、強い信念のようなものを感じる。

例えば、料理に使用する食材の選び方。
沖縄の自然がこれ以上汚れないよう「沖縄県産の自然栽培・無農薬有機栽培の野菜」を使用している。こうした有機野菜を農家から正当な価格で購入することで、有機農家を支え、結果として地球環境もよくなると、浮島ガーデンは考えているのだ。

また、浮島ガーデンは料理に使用する「五穀」の復活栽培にも力を入れている。
スーパーフードとして国内外で注目されている五穀だが、戦後はほとんど栽培がされなくなった。そんな五穀の復活栽培を彼らは支援しているのだ。インスタグラムでは五穀農家さんを取り上げた投稿も見ることができる。

さらに、浮島ガーデンの人気商品「島豆腐のおから味噌床」は、実は豆腐消費量日本一の沖縄ならではのアップサイクル商品。豆腐の作成工程で生まれる「おから」を捨てずに美味しくアップサイクルしたのだ。季節の野菜をカットして、一晩つけるだけで、簡単に美味しい味噌漬けができる。味噌漬けが終わったら、お味噌汁、炒め物、和物などにも使える、無駄がない沖縄生まれの味噌床だ。

MISODOKO

引用元:浮島ガーデン webshop

このように浮島ガーデンは、食材だけでなく、その食材を育ててくれる農家の活動を支援したり、まだ食べられるものを捨てずにアップサイクルしたりと、食に関わるすべての行動に本気で取り組んでいる。つまり、浮島ガーデンで食事をすることは、食を通して未来に投資をすることになるのだ。

現在、那覇のお店は休業中だが、沖縄県内外のポップアップストア、オーガニックイベント、五穀ヴィーガン・スイーツ教室など、様々なカタチで活動している。オンラインショップでは、「島豆腐のおから味噌床」や人気メニュー「麻炭コーラ」の素など、浮島ガーデンの味を手軽に楽しめるので、気になる方は一度のぞいてみてほしい。

住所 沖縄県那覇市松尾2-12-3
営業時間 11:30-16:00(金・土)
※2023年9月現在は休業中
HP 【公式HP】https://ukishima-garden.com/
【WEB SHOP】https://ukishimagarden.stores.jp/

オーガニックやエシカルという視点ももちろんだが、食にこだわり美味しいご飯を提供しているお店を5つ紹介した。ぜひ次沖縄を訪れた際は、どれかひとつでも足を運んでみてはどうだろうか。

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nanami

沖縄県出身。幼いころから多国籍な友人に囲まれ、言語や海外文化に強い興味を持つ。大学2年次に南米ペルーへ留学。“当たり前”という凝り固まった価値観を崩す出会いや出来事を多く経験した。また、海洋プラスチックへの問題意識からサステナブルなライフスタイルを実践中。“サステナブルな旅”は、自然環境だけでなく、自分自身と向き合い、自然と溶け合う中で自分を取り戻す旅であると感じている。