京都市は、2020年3月に実施した外国人観光客向けウェブサイト「Kyoto City Official Travel Guide」のリニューアルプロジェクトにおいて、「Skift IDEA Awards」のDestination Innovation部門で最高評価を獲得した。
Skift IDEA Awardsは、世界の旅行・観光業に関するデジタルマーケティングの業界情報の配信においてもっとも影響力のあるメディア「Skift」が主催している。年に一度、建築からインテリア、デジタル、イベント、テクノロジー、交通機関までの各カテゴリにおいて、旅行のよりよい方法を創造しているインスピレーションに満ちた作品を表彰している。
特に、毎年開催される国際カンファレンスの一つ「Skift Global Forum」は、世界の旅行関連大手企業のトップが参加し、影響力のある業界関係者がスピーカーとして登壇するなど、旅行業界の最先端をリードするイベントとして高く評価されている。
そしてこのたび、世界から寄せられた数百を超える応募のなかから「Kyoto City Official Travel Guide」のリニューアルプロジェクトがもっとも評価の高いプロジェクトとして選出された。Destination Innovation部門では、旅行者の旅行先での体験を変える、もっとも革新的なプロジェクトを決めており、日本国内では初めての選出となる。
「Kyoto City Official Travel Guide」が受賞した理由は、新型コロナウイルスの影響を受ける前に生じていたオーバーツーリズムの問題により、観光産業と地域住民との間で利害関係の対立があったなか、旧来の観光ではなく、地元の視点でのコンテンツや情報を提供することを目的とする観光を発信するよう、市民生活と観光との調和を図り、地域の文化や暮らし、習慣の理解促進につながる情報が充実したウェブサイトへと一新したことにある。
リニューアルによって、地域の魅力を伝える民間メディアとの連携により53記事を掲載したほか、「Street Guide」や「People」などの新たな切り口でコンテンツを展開した。これにより、世界の観光地を代表する先進的な事例であると評価された。
同サイトは既存のコンテンツとして、「京都に行きたい」と思わせる記事や、交通や京都におけるマナーなど、観光客に必要な情報をタイムリーに提供している。また、旅マエ(日本国外)と旅ナカ(日本国内)などアクセスする場所によって、トップページのデザインが切り替わるなど、独自の機能を盛り込んでいる。新型コロナウイルスの影響が生じた4月には、自宅にいながら京都を感じられる「Stay Home, Feel Kyotoキャンペーン」を展開し、世界120以上の国・地域の人々に閲覧された。
コロナ禍もあり、世界的に地域と観光客のあり方や観光地経営について、新たな向き合い方が求められるなか、地域住民に愛される視点を大切にした観光情報を発信する視点は、持続可能な観光を実現するうえで、他の地域での取り組みにおいても一層注目すべき要素となりそうだ。
【ウェブサイト】Kyoto City Official Travel Guide
【参照ページ】Announcing the Winners of Skift IDEA Awards 2020 – Skift
【参照ページ】京都市:「Skift IDEA Awards」にて外国人観光客向け京都観光オフィシャルサイト「Kyoto City Official Travel Guide」のリニューアルプロジェクトが最高評価を獲得!
(Livhubニュース編集部)
明田川蘭
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