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モロッコインタビュー

「世界のKitchenから」が教えてくれた旅の魅力と日常の愛おしさ

所狭しと積み重なる鍋。皮が剥かれた山盛りのレモン。暗がりのなかの小さな一台のガスコンロ。大きな包丁に洗ったばかりの数本のごぼう。食器棚のうえの1本の真っ赤な薔薇。

言葉も文化も異なる行ったこともない世界の国々のキッチンには、今日もそれぞれ湯気がのぼる。

ある家では冷たい空気のなかでりんごが煮立ち、ある家では薪のうえの大きな鍋でパエリアが焼かれ、ある家では見たこともないような大きな平鍋でさつまいもが茹で上がる。

見覚えのない異国の台所にいつもあるのは、優しく力強い手。

世界のキッチンからお母さんが私に語りかける。

「毎日いろいろあるよね。でも、美味しいもの作って食べて、今日も生きましょうよ」