ナショナル ジオグラフィック トラベラー誌は、ニューカレドニアを「ベスト・オブ・ザ・ワールド– 2021年のサステナブル・デスティネーション(持続可能な旅行先)」の1つに選出した。
同誌は、二酸化炭素の排出量と吸収量が中立の状態である「カーボンニュートラル」を実現する都市から、持続可能な自然と野生生物ツアーを提供する目的地にいたるまで、地球上のあらゆる自然を保護することを目指す世界各地の場所をリストアップしている。
特に海洋生物の保護に向けた取り組みに焦点を当てており、ニューカレドニアでは、すでに実施されてきた多くの取り組みに対して数々の評価を受けてきた証が、今回の選出に起因する。その多くの取り組みには、2008年に美しいラグーンがユネスコ世界遺産に登録されたことや、2019年10月にラ・フォア、ファリノ、モワンドゥ地区が太平洋地域で初めてフランスのエコツーリズム認証である「スタシォンヴェール(グリーンステーション)」の認証ラベルを獲得したことなどが挙げられる。
ニューカレドニアには、76%の固有動植物と20,000以上の海洋生物種があり、非常に貴重で豊かな自然が満ちあふれている。そのため、コーラル・シー(珊瑚海)の海洋保護区や、複数の固有種が生息するリビエルブルー州立公園などの自然保護区が示すように、固有動植物種の保護および群島のさまざまな生態系の保護を優先事項としている。また、それら以外にもまだ発見されていない壮大な手つかずの自然が存在し、その規模は100万平方キロメートル以上にも及んでいる。
これらのニューカレドニアの生物多様性を保全するには、現在注目されている「サスティナブルツーリズム(持続可能な観光)」は必要不可欠となる。現在ニューカレドニア観光局では、観光促進活動において、ニューカレドニアの環境と多くの貴重な自然遺産について、旅行者が学ぶことができる機会を提供している。またその取り組みのなかで、自然と完全に調和した滞在や、観光促進活動による価値を発見できるように設計されたハイキング・トレッキングコースなども紹介している。
同局は、今回ニューカレドニアが持続可能な旅行先に選ばれたことについて、古くからの習慣と伝統を発展させ、尊重することへの強い想いを示す。島の人々は島々の真正性を誇りに思い、島独自の強いアイデンティティを持っている。そして、この豊かで多様な文化に触れることを望む旅行者と、自分たちの物語や歴史を共有したいと望んでいる。そのために、ニューカレドニアで暮らすカナック族の生活様式のなかに身を置くことは、その土地を発見するために必要なことだとする。
ニューカレドニアは、その貴重な環境と住民の文化を十分に尊重したうえで、有意義な観光体験を提供し、持続可能な観光を促進しながら、さらに完全に持続可能な旅行先となることを目指す方針だ。
【ウェブサイト】ニューカレドニア観光局
【ウェブサイト】Best of the World: seven sustainable travel destinations for 2021 | National Geographic
【ウェブサイト】Station Verte : loisirs, tourisme et vacances Nature dans 600 destinations
(画像:Mêrêsaaba Rando – Farino © JC Robert / NCTPS)
(Livhubニュース編集部)
明田川蘭
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