島根県海士町(あまちょう)は11月25日、総務省による「特定地域づくり事業協同組合」の全国初の認定を目指し、海士町複業協同組合を創立したことを発表した。事業開始は2021年1月からを予定し、特定地域づくり事業の運営を行っていく。
島根県海士町は、日本海に浮かぶ隠岐諸島・島前三島の一つで、人口約2,500人の小さな島だ。「ないものはない」を合言葉に、島国であるがゆえの価値や生き様を島内外に発信し、さまざまな分野で島の生き残りをかけた挑戦を続けている。
このたび設立した「海士町複業協同組合」は、総務省による特定地域づくり事業協同組合制度に掲げられた内容にもとづき、人口急減地域にて派遣事業を行う中小企業等事業協同組合だ。
古来より海士町には「半農半漁」の暮らし方が受け継がれている。同組合はそこから着想を得た「マルチワーカー」の働き方であれば「企業の魅力創出」と「企業間の繋がりによる新事業創出」が可能だと考えた。これにより、地方での新しい働き方の創造に挑戦し、サステナブルな地域づくりを目指していく。
また、相互扶助の観点を持つ協同組合の強みを生かし、今後は地域企業のハブとして、経営革新や経営効率化、異業種連携による技術などの経営資源の相互補完などを通じて、より地域の活性化に寄与できる組合の可能性を模索していく姿勢だ。
このたび同組合創立のきっかけともなった「マルチワーカー」の考えは、人手不足が深刻化する地域社会において理にかなった働き方だ。特に季節や気候に左右されやすい観光事業は、マルチワーカーとの相性もよいと言える。このたびの組合設立により、これまで以上に人々とのつながりが生まれ、地域活性につながることを期待したい。
【ウェブサイト】海士町複業協同組合
【参照ページ】特定地域づくり事業協同組合
(Livhubニュース編集部)
松岡 のぞみ
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