※写真は従来型のAirstream
EV(電気自動車)化のボトルネックになりうる「長距離移動」や「車内での高エネルギー消費」が想定されるキャンピングカーにおいても、脱化石燃料が進んでいく模様だ。
アメリカの老舗キャンピングカーブランド「エアストリーム(Airstream)」はこのほど、完全電動化というコンセプトのトラベルトレーラーのプロトタイプ「eStream」を発表した。
Airstream開発責任者マッケイ・フェザーストーン氏は 「より持続可能な旅や、さらに遠くへ行くのを支援します。持続可能性の観点から二酸化炭素排出量を削減することは私たちの使命です。」と述べる。
流線型でメタリックなアルミボディが特徴的なAirstreamだが、その伝統的なデザインは継承しつつも空力抵抗を20%改善し、さらにテクノロジーの部分で劇的な進化を見せている。
従来Airstreamのトラベルトレーラーのシステムは、プロパンガスタンクとソーラーパネル、電池を組み合わせたものだった。一方eStreamは繰り返し充電して使用することができる高電圧リチウム電池と電子システムからなっており、キャンプ場などで外部に接続することなく最大2週間、電力を供給し車両の空調システムやコンロ、冷蔵庫などを利用することも可能だ。
搭載機能は直感的なタッチスクリーンや音声コマンドでのコントロールシステム。利用できる機能には5G接続とWi-Fiホットスポットのシグナルブースターなどがあり、スマートフォンアプリも提供される。
Airstreamのボブ・ウィーラーCEOは「この種のコンセプトトレーラーは、いまだかつて市場にないものでハードウェア、ソフトウェア、ユーザーエクスペリエンスの限界を押し広げます。バッテリー技術は着実に改善しており、コストが削減されています。」と発表記者会見で述べた。
このe-RV開発や商品化の具体的な時期は明言されておらず、市場に出回るには、あと数年を要する可能性があるとみられている。実際に発売されれば、旅をしながらの暮らしは利便性が高まり、サステナブルトラベルはさらに進歩するだろう。
【参照サイト】Airstream

拓馬

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