フィアット通貨(法定通貨)だけでなく、暗号資産での支払いに対応した分散型ホームシェアリングプラットフォーム「Dtravel」は6月16日、Kenetic Capital、Future Perfect Ventures、DHVC、Plutus VC、GBV Capital、AU21 Capital、Shima Capital、LD Capital、NGC Venturesおよび複数のエンジェル投資家による500万ドルのシード資金調達ラウンドを発表した。
Dtravelは、AirbnbやExpediaほか世界的なテクノロジー企業の元幹部らにより、ブロックチェーンベースの旅行予約プラットフォーム「Travala.com」の協力のもと、設立された。DeFi(Decentralized Finance:分散型金融)やスマートコントラクトを活用したDAO(Decentralized Autonomous Organization:自律分散型組織)として運営が行われる。
Dtravelでは、従来のホームシェアリングプラットフォームについて、企業が仲介を担っていることから、最終的に株主に利益を還元するインセンティブが強くなることを懸念している。また、過去10年、特定の企業がシェアリングエコノミーの成長をけん引した結果、予約総額に対して最大20%の手数料が課されることや、集中管理されたコミュニケーションによりホストとゲストの直接的な関係が喪失される事態が生じていることなども課題視している。
そこでDtravelはDAOによる運営を採用することで、ホストとゲスト、プラットフォームの関係性を再構築するだけでなく、手数料を予約総額の7.5%にまで削減するほか、コミュニティ運営への参加を通じて、追加の収入源の創出も目指すとしている。
創業パートナーであるFuture Perfect VenturesのJalak Jobanputra氏は次のように述べている。
「シェアリングエコノミーはステークホルダーによるガバナンスがあって初めてあるべき姿となります。ホームシェアリングのエコシステムは、中央集権的な企業の支配下にあり、長年にわたってあるべき姿とかけ離れたものとなってきました。今こそ、コミュニティがエコシステムを所有し、管理することが必要です」
Dtravelは、Binance Smart ChainとEthereum Networkに近日公開される独自のトークン「TRVL」を用いて運営される。TRVLは、すべてのホストが保有できるトークンで、宿泊の予約、報酬の獲得、プラットフォームの運営・管理への参加などに使用することができる。そして、Dtravelでは、最初にサイトに登録するホスト10万人に対し、3,500万ドル相当のTRVLトークンを配布するとしている。
このようにサービス運営の意思決定に参加できるトークンはガバナンストークンと呼ばれ、2020年に起きたDeFiバブルの火付け役ともなった。DeFi最大手のレンディングプロトコル「Compound」では、ガバナンストークンCOMPが配布開始後に価格が暴騰、DeFi市場全体に混乱を招くほどの事態に発展した過去もある。
【サービスサイト】Community Owned Home Sharing with Lower Fees | Dtravel
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