世界遺産にも登録される中世都市の街並みを残すギリシャ、ロードス島で、新たな取り組みが始まった。
ギリシャ政府、エーゲ海の南部に浮かぶ諸島から構成される南エーゲの地方自治体、ドイツの大手旅行代理店トゥイ(TUI Group)はこのほど、持続可能な観光のための共同研究所「The Rhodes Co-Lab」を設立すると発表した。
南エーゲの諸島の一つであるロードス島にシンクタンクを設置し、世界的な知の巨人を集結させ、観光セクターの持続可能性を発展させる。南エーゲには、ホテル、空港、クルーズなど、観光のさまざまな要素があり、研究には絶好の場所だ。地元の観光業界や国際的なパートナーと協力して、サステナブル・トランスフォーメーションのための具体的な解決策を模索する。
また、今後5年間で資源の節約や、新たな雇用機会などを通じて地元住民の参加を促し、ロードス島の持続可能な成長を目指す。
ギリシャのキリアコス・ミツォタキス首相は「ギリシャ危機から脱却し、将来の課題に向き合う新たなステージです。環境や生態系にとどまらず、社会的・経済的な持続可能性についても議論し、このプロジェクトを成功させるために尽力します」と全面的に協力する姿勢をTUI Groupに示す。
この事業では「国連の持続可能な開発目標(SDGs)」「気候変動抑制に関するパリ協定」「2050年までに二酸化炭素の排出量を実質ゼロにするクライメイト・ニュートラル(気候中立)を目指すEUの目標」を念頭に置いている。現存する様々な問題を解決していくには第一歩を早急に踏み出す必要があり、現場での小さな変化が大きな影響を与えうるという。
TUI GroupのCEOであるFritz Joussen氏は「ギリシャと南エーゲ、TUIは観光業界が協力して未来へ向けて持続可能な開発をすることを提案します。」と述べる。
ヨーロッパ文明の礎となったギリシャ。長い歴史が刻まれた文化遺産や美しく豊かな自然を求めて世界中から旅行者が集まるエーゲ海が、新時代に向けてサステナブルな観光を生み出そうとしている。
【参照サイト】“The Rhodes Co-Lab”: TUI and Greece launch futures lab for sustainable tourism

拓馬

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