夜の自然散策。ワクワク、感動がふくらむ。
夜にしか活動しない動物、夜にしか咲かない花。
夜の自然には決して陽がある頃に見えない、動植物たちの世界がある。
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今回は、そんな夜の自然の生態系に触れることができるイベントを紹介する。今年、開園100周年を迎える「京都府立植物園」にて、2024年10月18日から12月26日まで開催される「LIGHT CYCLES KYOTO(ライトサイクル キョウト)」だ。
夜の植物園が光と音に包まれたアート空間に
日本最古の公立植物園である京都府立植物園は、春の桜やチューリップ、夏のスイレンやヒマワリ、秋のコスモスや紅葉、冬のサザンカやウメなど、年間を通じて様々な花を楽しむことができる。園内にある金閣寺と北山連峰をイメージしたデザインの観覧温室は、国内最大級の広さを誇り、約4,500種類の熱帯植物を展示している。
「LIGHT CYCLES KYOTO」では、この観覧温室を舞台に、光、音、プロジェクションを駆使して植物の世界を表現する。手がけるのは、世界的なマルチメディア・スタジオ「Moment Factory」。映像、照明、建築、音響、特殊効果といった様々な専門分野を統合し、世界中の人々が忘れられない体験を提供している。彼らの技術と創造性によって、夜の植物園が幻想的な光と音の世界に包まれる。
植物ならではの「見え方」にこだわった4つのゾーン
「LIGHT CYCLES KYOTO」は、7つの異なる自然環境を再現した温室内に4つのゾーンが設けられ、来場者は植物ならではの「見え方」や自然との関わり、植物同士のコミュニケーションを体感できる。
「LIGHT WILL FIND YOU」は、熱帯の高木が生い茂るジャングル室で展開される。日本の木漏れ日にインスパイアされた光の演出が、曲がりくねった小道に降り注ぐ。参加者は頭上から差し込む光の筋を通じて、魔法の世界に導かれるような感覚を体験できる。
「MEMORY OF WATER」は、バナナやパパイヤなどの熱帯果樹が栽培される有用作物室で行われる。ここでは、水のサイクルを光の演出で表現している。海の水が太陽に温められ、水蒸気となり、雲を経て雨となって植物に戻るプロセスを、光を通じて体感できる。
「(IN)VISIBLE」は、乾燥地の植物が中心の砂漠サバンナ室で展開される。ここでは、人間とは異なる植物の「見方」を体験できる。砂の上やサボテン、樹々にパターン化された光やリズムが投影され、植物が持つ隠れたリズムと独特の視点を神秘的に表現している。
最後の「FOREST FREQUENCIES」では、植物同士のコミュニケーションを光と音で表現している。近年の研究で明らかになりつつある植物間の信号によるコミュニケーションを、芸術的な演出を通じて体験できる。
このイベントは、単なる視覚的な体験にとどまらず、参加者の五感を刺激し、植物の世界への理解を深める機会を提供している。来場者は、異なる環境で育つ植物たちの姿を通じて、生物多様性への理解を深めることができる。また、エンターテインメントを通じて次世代に向けた人と自然とのつながりを感じられる機会となっている。
京都から世界の生物多様性への貢献
本イベントでは、京都の新たな夜の文化観光コンテンツの創造と、京都府立植物園が次の100年に向けた将来ビジョンとして「京都から世界の生物多様性への貢献」の実現を掲げている。今年100年を迎える京都府立植物園で開催される「LIGHT CYCLES KYOTO」は、この記念すべき年に相応しい、革新的な取り組みといえるだろう。植物園の持つ教育的価値と、最新のテクノロジーを組み合わせることで、新たな体験価値を創出している。
「LIGHT CYCLES KYOTO」は、2024年10月18日から12月26日の期間、18:00〜21:30(最終入場20:30)まで開催。入場料は大人(高校生以上)が当日2,500円、前売り2,000円、小人(小中学生)が当日1,200円、前売り1,000円、未就学児は無料となっている。
夜の自然世界がどんな顔をもつのか。興味のある方は、ぜひ足を運んでみてはいかがだろう。
【参照サイト】光と音に包まれ、夜に輝く植物たちの世界を旅する京都府立植物園 開園100周年記念「LIGHT CYCLES KYOTO」|PRTIMES
【参照サイト】LIGHT CYCLES KYOTO 公式HP
【参照サイト】京都府立植物園 公式HP
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