コロナ禍で、私たちの暮らしは大きく変わった。海外旅行に行きたくとも、思うように身動きが取れず、窮屈に感じた人も多いだろう。ウィズコロナの時代、人々は旅行に何を求めているのだろうか。
コミュニティ・ツーリズムを推進するドイツの旅行会社G Adventuresが発表した「2022年の10の旅行トレンド」を見ながら考えてみよう。
※記事内に使用する統計数値は、2021年7月及び10月にG Adventuresの世界中の利用者4,500人以上を対象とした調査に基づく。
2022年の旅行トレンド、トップ10
1:責任ある旅行(コミュニティ・ツーリズム)
調査対象者の約3分の1が2022年には、より責任を持って旅行することを重視すると回答している。
2:旅行者は地元の人々を支援することに関心
調査対象者の66%は、自分のお金が地元の人々に直接利益をもたらすことを望んでいる。観光収入に依存する国々がパンデミックで大打撃を受けたことが影響し、この傾向は強まったと見られる。
3:ワーケーションの人気の高まり
世界中でリモートワークへの移行がみられ、調査に対しても24%がどこからでも仕事ができる状況にあると回答。その数値は18~34歳では46%とさらに高い。旅行をしながら仕事をする人も37%となっており、ワーケーションがデジタルノマドのものだけではなくなったことが見て取れる。
4:ホステルの需要が回復
18〜34歳の若い旅行者の63%が、パンデミック後にホステル滞在を体験したいと回答している。
5:デバイスから切り離されたい
旅行者の54%は、ソーシャルメディアの利用時間を減らしたいと考えている。28%は、次回の休暇を予約する際の最優先事項は、人々との交流や新しい出会いだと回答している。
6:旅行予算の増大
18%が海外旅行の予算を増やしたいと答えている。
7:ステイケーションではなく、遠くに行きたい
パンデミックの状況による影響か、海外より近場に滞在したいと回答しているのは18%のみに留まり、30%が2022年に「ステイケーション」をする可能性は低いと述べている。
8:ロックダウンで、アクティブなライフスタイルに拍車
次の旅行ではアクティブに身体を動かしたいと考えている人は、70%と非常に高い。旅行者の64%が、心身の健康が次の休暇の最重要事項だとしている。
9:健康とメンタルヘルスが重要
95%と大多数が、旅行は健康とメンタルヘルスに重要であると述べている。多くの旅行者が、元気になるための旅行を求めている。
10:リベンジ旅行は収まり、再びつながる旅へ
パンデミックで「リベンジ旅行」という言葉が流行った。しかし2021年度の今回の調査ではリベンジ旅行をしたいと回答しているのが14%なのに対し、つながりを求める旅行は42%と高い数値がでている。
2022年、どんな旅をしよう
ドイツの旅行会社の調査結果ではあったが、日本に住む我々にも当てはまる要素がいくつもあったのではないだろうか。今年はどんな旅をしようか。妄想・計画するための参考にしてみてほしい。
【参照サイト】TOP 10 TRAVEL TRENDS FOR 2022
拓馬
最新記事 by 拓馬 (全て見る)
- 飛行機代に「環境チャージ」を含めます。ルフトハンザ航空が始めた持続可能な世界のための対応 - 2024年8月15日
- 欧州でCO2以外の温室効果ガス対策も加速。航空会社の報告を義務化へ - 2024年7月24日
- コペンハーゲンが環境に配慮した観光客への報酬制度「CopenPay」を開始 - 2024年7月12日
- 市民科学がネイチャーポジティブを加速させる。自然保護科学とエコツーリズムを結びつけた観光客参加型の生物多様性保全プロジェクト - 2024年6月26日
- 空の旅のフードロスをなくそう。航空会社の取り組みと私たちにできること - 2024年4月4日