台湾ワーケーション体験者がすすめる、仕事も読書もできる台北のカフェ4選

日本人に人気の旅先、台湾。日本とは地理的に近く、文化的・経済的つながりも深い。

そしてその首都、台北は魅力の尽きない街だ。高層ビルが立ち並ぶ典型的なオフィス街の路地裏に昔ながらの屋台や市場があったり、近年は台湾ならではの伝統や文化を取り入れた創作を奨励し、産業として発展させることを目指す政策「文創」(※1)ムーブメントの盛り上がりを受けて、華山1914文化創意産業園区をはじめとするカルチャー複合施設も点在し、街を歩くだけでさまざまな発見がある。

外国人駐在員が住みやすい街として国際的な評価も高く(※2)、社会インフラも整備されており、台湾のヘルスケア・医療は世界一という調査報告もある(※3)。また、台北に店舗を構える日系ブランドも多く、日本製の生活用品や食料品も簡単に手に入ることから、海外でありながらも日本にいるかのような不思議な安心感がある。

その一方で、「台湾料理のショーケース」とも言える夜市を訪れたり、はでやかな装飾が施された台湾式の寺院を目の当たりにすると、異なる文化圏にいることを実感する。そのような、暮らしやすさと異国情緒を兼ね備えた台湾は、ワーケーションや多拠点生活といった長期の滞在先として理想的な街だ。

そこで今回は台北でリモートワークや読書など、一人の時間に集中できるカフェを4つ紹介したい。

1.小路上。(Dear Deer)
小路上

台湾を代表する大学の一つ、国立台湾師範大学の最寄り駅でもあるMRT古亭駅から徒歩約2分。アクセスはいいものの、看板など分かりやすい目印を出しておらず、うっかり通り過ぎてしまいそうな場所にある。通り沿いにたくさんの植物を置いた建物の左脇から入店する。趣味のいい友人の家に招き入れられたかのような空間で、かかっている音楽はアンビエントやアコースティック、クラシカルなど静謐さを演出しつつも、こだわりを感じさせる選曲だ。アンティークのおもちゃや個性的なランプにも目を奪われる。

小路上2

今回オーダーしたのは黒糖プチーノ。クリーミーでまろやかながらも、黒糖のこうばしさがアクセントになっていて、上品な甘さが楽しめる。天気のいい日は裏庭のテラス席もおすすめだ。

小路上3
住所台北市大安區羅斯福路二段77巷7號
営業時間11:00~20:00(定休:月)
Wi-Fi/コンセント
HPhttps://www.facebook.com/deardeer2012/
2.二會(gojiby)
gojiby1

台北駅から徒歩約7分、華陰街の2階に位置するカフェ。路地裏の小さな看板が目印となっている。入店するとほぼ満員となっており、見たところ客の半数がおひとり様。パソコンで黙々と作業をしている人もいて、話し声は全体的に控えめだ。静けさを求めて訪れている人が多い印象を受けた。店内は薄暗いが、通りに面した窓からは外光がよく差し込み、陰気さはない。古いジャズが流れていて、ノスタルジックなムードも漂っている。

鳳梨咖啡泡泡(Pineapple Soda With Coffee)をオーダー。エスプレッソと炭酸水、パイナップルが絶妙にマッチした、清涼感あふれる1杯だ。

住所台北市中山區華陰街21號2樓
営業時間13:00~20:00(定休:なし)
Wi-Fi/コンセント
HPhttps://www.instagram.com/gojiby_cafe/
3.窩著咖啡2.0(perch café)
perch

台北の中心に位置するMRT松江南京駅から徒歩約1分という好立地に位置するカフェ。入り口は簡素な佇まいだが、店内は予想以上に奥行きがあって、のびのびとした気持ちになる。パソコンで黙々と作業している一人客も多く、仕事の打ち合わせで来ているビジネスマンもちらほら見かける。店のスタッフに聞いたところ、「本好きのためのカフェ」とのことで、置いてある本や雑誌を気軽に手に取って読めるのも魅力。台湾の雑誌編集者たちもよく来るのだとか。

perch2

アイスカプチーノをオーダー。ミルキーかつクリーミーな一品で、甘すぎないのもいい。

perch3

お腹が空いたら台湾風サンドイッチがおすすめ。写真は豚ヒレ肉と卵、チーズを挟んだボリューミーな一品だ。パンケーキを彷彿とさせるモッチリとした生地で挟んでいるのが特徴。

住所台北市中山區松江路97巷2號
営業時間12:00~22:00(定休:なし)
Wi-Fi/コンセント
HPhttps://www.facebook.com/perchcafe2.0
4.湛盧咖啡 大安本店
zhanlu1

台北に4店舗を構える湛盧咖啡(Zhanlu Coffee)の大安店。MRT大安森林公園駅から徒歩約3分、店先の広々としたテラス席を通って入店する。コーヒーのクオリティに定評のあるブランドで、豆も独自焙煎されている。コーヒー好きの方には手沖咖啡(ハンドドリップコーヒー)がおすすめ。豆はシングルオリジンとなっており、フローラルやチョコレートなど9種の風味別にカテゴライズされている。誰でも好みの一杯を見つけることができる。

湛盧咖啡ラテ

こちらはカフェ・ラテ。コクがあり、大人向けのビターな味わいだ。

住所台北市大安區新生南路一段161巷2-1號
営業時間月曜日〜土曜日 10:00~21:00、日曜日 10:00〜19:00(定休:なし)
Wi-Fi/コンセント
HPhttps://www.facebook.com/%E6%B9%9B%E7%9B%A7%E5%92%96%E5%95%A1-Zhanlu-coffee-559045441202514

「台湾といえばお茶」のイメージが強いが、近年はコーヒーの人気が高まっており、台北市内の至る所にカフェがある。そして、文創ムーブメントの後押しもあり、古民家をリノベーションしたり、インテリアにこだわったり、空間作りにこだわりを感じさせる店も多い。また、時にはライブやトークショーといったイベントも行われる店もあるなど、カルチャー発信地としても重要な役割を担っているようにも感じる。是非、台北でお気に入りのカフェを見つけて、贅沢な時間を過ごしてみて欲しい。

※2022年10月13日より、観光目的で日本から台湾に行く場合、ビザ及び隔離無しでの入国が可能になりました。ただし、入国時に空港で無料配布される自己検査キットにて2日に1回検査が必要など条件があるので、(2022年12月2日確認時点)詳細はオフィシャル情報をよくご確認ください。

(※1)フォーカス台湾|伝統から生み出す創意 台湾「文創」の原動力とは 小路輔さんインタビュー
(※2)InterNations | The Best & Worst Cities for Expats in 2019
(※3)Numbeo | Health Care Index by Country 2020

The following two tabs change content below.

関俊行

編集や執筆、音楽制作など幅広く活動中。タワレコ運営メディアMikikiで『台湾洋行』を連載。近年はwebや雑誌、ラジオなどさまざまなメディアで、台湾を中心にアジアの音楽・カルチャーを発信している。