災害と共生する未来都市を考える「リジェネラティブ・アーバニズム」 米国ロサンゼルスにて日米共同の展示会開催

米国ハリウッドにある「ジャパン・ハウス ロサンゼルス」で展示会「Designing with Disaster: Stories from Seven Regenerative Cities」(災害設計:再生可能な7都市の物語)が1月27日~4月2日に開催される。

展示会では、起こりうる災害に強い環境を創り「人間・自然・構築された世界」の共生の可能性を探求する、未来を見据えた都市設計「リジェネラティブ・アーバニズム」(環境再生型都市)のコンセプトについて紹介している。

会場では7つの架空の再生都市を没入型の体験や動画、オーディオで楽しめるようになっており、なかでもライトで照らされた「再生都市の井戸」(Regenerative City Wells)なるものが特徴的だ。

ギャラリースペースにある井戸の中をのぞき込むと「計画、アニメーション、再生都市のコンセプトに関するインタビュー」などで、7つの再生都市を体感できる。そして統計データなどとともに災害発生や共生のシナリオを探り、都市環境の将来に関する理解を深める。再生都市は、対話都市、火成都市、共生都市、郡島都市、時制都市、遊牧都市、水成都市の7つ。

今回の展示は、ArcDR3(災害リスク軽減とレジリエンスのための建築と都市設計)の一環だ。ArcDR3は、カリフォルニア大学と東京大学が共同で建築デザインの研究を行うシンクタンク「UCLA xLAB」が東北大学の災害科学国際研究所(IRIDeS)や環太平洋地域にある11の大学と協力して発足させた新たな取り組み。

近年アメリカでは、気候変動に起因するとみられる山火事や洪水などの自然災害が多発している。

日本は言わずとしれた災害大国である。2011年には東日本大震災が発生し、想定を大幅に上回る被害を受け、多くの教訓がもたらされた。

また、日本列島は台風の通り道になっており、「震度7の地震と10mを超える大津波」を気象庁が予測する南海トラフ地震は発生の切迫性が高まってきているという。

常に自然災害と隣り合わせで暮らす私たち。「備えあれば憂いなし」。未来に向けたリジェネラティブな都市を構築する取り組みが世界各地で進められている。

【参照サイト】JAPAN HOUSE Los Angeles Presents “Designing with Disaster: Stories from Seven Regenerative Cities”
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拓馬

昔からつい遠くに趣いてしまう癖があり、気がついたら海外でノマド(遊牧民)に。インターネットという大自然の恩恵に浴し、世の中を斜に眺めながらの独り言。リアルの大地とデジタルという名の大空のはざまにさすらい、いまだ見ぬ世界への旅路を今日もゆく。