ブッキング・ドットコム・ジャパン株式会社は4月8日、同社が実施した「今後の旅行の展望と優先事項」についての調査結果を発表した。この調査では、再び安全に旅ができるようになったときに旅行者が旅行に対して抱いている希望や、旅行業界の回復に必要な支援についての考えなどが示された。
新型コロナウイルスの終息の見通しがたたないなか、昨今のワクチンの接種開始により、日本の旅行者の45%は「2021年は旅行が可能だと思う」と回答し、「2020年に思うように旅行ができなかった分、2021年にはより旅行に行きたい」と56%が回答したことから、再び旅行に対する願望が増したと考えられる。
一方、日本の旅行者の59%(55歳以上では69%)が「ワクチンを接種するまでは海外旅行に行かない」と回答。また41%が「ワクチンを接種しても海外旅行は不安」と回答していることから、今後特に海外旅行においては、今まで以上に「安心」や「安全」が不可欠な要素であることがわかる。
新型コロナウイルスの感染拡大は、日本の旅行者の45%が「メンタルヘルスに影響があった」、43%が「移動が制限され、閉じ込められているような気分になった」と回答したことから、人々に心理的にネガティブな影響を与えたと考えられる。そのため、旅行をより重要と感じている旅行者が増え、71%もの旅行者が「2021年は恋人を見つけるよりも休暇に行きたい」、さらに77%が「仕事やキャリア、昇進よりも旅行を優先する」と回答しており、旅行の優先順位が高まっていることが伺える。
旅行先について、世界の旅行者の61%が「2021年の夏までにはビーチに行くことができるようになると確信している」と回答する一方、日本の旅行者は20%だったことから、日本の旅行者は世界の旅行者の中でも「安全」を重視する傾向にあるようだ。なかでも再び安全に旅行ができるようになった場合の行き先について、日本の旅行者の24%は「最初はビーチやスパでリラックスするような旅先を選ぶ」と回答していることから、日本の旅行者は旅先に癒しを求めている傾向にあると考えられる。
今回の調査結果から同社は、旅行者が実際に再び安全に旅行を実現するためには、政府や旅行者、トラベル・エコシステム全体が互いに協力しあうことが必要であると考えている。
新型コロナウイルスの感染拡大で甚大な影響を受けた旅行業界に対し、日本の旅行者の91%は「旅行業界の回復には支援が必要である」と回答。さらに57%は「旅行業界が回復するには政府が施策を行う必要がある」、53%は「政府からの助成金なしには業界が存続することができない」と懸念している。しかし、旅行業界の支援に関して、日本の旅行者の31%は地域活性化や日本全体の観光業復興のため、「旅行者の少ない目的地を選ぶ予定」と回答し、18%は「個人経営の宿泊施設を選ぶ予定」、16%は「地域のビジネスを支援するため、地元の宿泊施設を予約したい」と回答していることから、政府の援助が必要と考えながらも、旅行業界に対し個人でできる範囲の支援をしたいとの姿勢が伺える。
このたびの調査結果を受け、ブッキング・ドットコムのシニア・バイスプレジデント兼CMOのアルヤン・ダイク氏は「長いトンネルの先に光が見え始めた今、誰もが再び安全に旅行ができるようになるよう、私たちは旅行業界に携わる各所と力を合わせてより良い未来のために取り組んでまいります」とコメントしている。
新型コロナウイルスの影響により2020年は、今までのように旅行ができなかったことが、人々の幸福度に大きく影響していることがわかる。安全への十分な配慮がなされつつ、再び自由に旅行を楽しむことができるようになることを期待したい。
本調査は28の国・地域で今後1年間に旅行を計画している旅行者・パートナー施設を対象として、2021年1月にオンラインアンケートの形式で行われ、2万人以上のデータを基に集計された。
【ウェブサイト】ブッキング・ドットコム
(Livhubニュース編集部)
松岡 のぞみ
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