サステナブルな暮らしの実験場、廃材を再利用したカフェ・シェアオフィス「R」石神井公園にオープン

シェアハウスの企画・運営・管理を行う合同会社シェアリアルと、社会課題をクリエイティブで解決するノウ株式会社は共同で、石神井公園にある賃貸マンションの一部をリノベーションし、サステナブルな暮らしの実験場「R(アーーーーール)」をオープンした

サステナブルとは、人間・社会・地球環境の持続可能な発展を意味する。今、世界では「サステナブル・シティ(持続可能な都市)」のあり方についての議論が活発化しており、日本でも一人ひとりの暮らし方におけるサステナブルなアクションが問われつつある。そこで、Rでは、サステナブルな暮らし方に「関心はあるけど、何から行えば良いか分からない」といった人々が集まり、これからの暮らしについての学びや発見の場として利用してもらうことを通じて、地域活性化に取り組む。

施設についてみていくとRには、カフェ兼コミュニティスペースの「R-Space」とシェアオフィスとして働ける「R-Office」、R-Spaceを共用部として住むこともできる「R-Home」がある。

まず、R-Spaceは、マンション内にありながら、シェアキッチン、コミュニティスペース、コワーキングオフィス、カフェスペースを兼ね備えた「次世代型の共用部」だ。内装や家具には、解体工事で出た廃材を再利用している。カフェスペースでは、1日店長や、貸し切り利用、物販など、店がなくとも営業を始められるチャレンジショップとしての利用もできる。設備として、キッチン(コンロ、冷蔵庫、ガスオーブン、その他、調理器具)、食器、トイレ、プロジェクター、イベント用椅子、Wi-Fiを備える。

R-Space

R-Space

そして、R-Officeは、近隣のクリエイターやリモートワーカーが職住近接で利用できるシェアオフィスだ。R-Spaceの上階の1室をリノベーションして作られた。利用するにはサロン会員登録に加えて、別途オフィス賃貸契約が必要となる。会議スペースとして利用することもできる。24時間利用でき、登記も可能だ。設備として、デスク、椅子、WIFI完備、キッチン完備、シャワー完備、宅配ボックスを備える。

R-Office

R-Office

最後に、R-Homeは、サステナブルで快適な生活を日常に落とし込める住空間だ。R-Spaceと同じフロアの1室をリメイクし、家具家電付きのマンスリー住宅として作られた。備え付けの家具はR-SpaceやR-Officeの解体で出た廃材でリメイクしたものを使用しており、ミニマルで必要十分、快適性のある暮らしをイメージしている。

R-Home

R-Home

Rでは、毎月、一つのテーマを掲げ、隔週でさまざまなゲストを招いたトークイベント、勉強会、ワークショップを開催するという。オープン記念として、循環型経済の先進国として注目されるデンマークから、日本とデンマークのポテンシャルを活かしたコンサルティングと新たなビジネスモデルの企画プロデュースを行うayanomimi代表の岡村彩氏をゲストに招いて、デンマークとRの活動の共通点を探りながら、未来を語り合うトークセッションを企画。また、マンションの生垣を取り除く際に伐採した椿の木を利用するアップサイクルでの箸づくりのワークショップが企画された。

そのほかにもRは、世界中で行われるサステナブルな取り組みに携わる人や企業との情報連携や新たなプロジェクトの立ち上げを行うパートナーシップ「R OFFICIAL PARTNER」を募集、さらに「R SUSTAINABLE SALON」という月額500円で参加できるオンラインサロンも開設している。サロンの加入者は、メンバー限定のグループでさまざまなサステナブル関連の情報共有やメンバーのみのオンオフ会、有料の勉強会やイベントに無料参加できるほか、「R-Space」をコワーキングスペースとして利用できる。

捨てられるはずのモノに付加価値を持たせることで新しい製品にするアップサイクルは、近年、環境配慮への意識の高まりやSDGsへの取り組みなどから見直されつつある。Rのような施設が新たな人のつながりを生み、環境意識の変容をもたらすケースは今後も増えていきそうだ。

【ウェブサイト】R(アーーーーール) | サステナブルな暮らしの実験場

(Livhubニュース編集部)

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明田川蘭

大の旅好き&温泉好き。一人で海外へ、一人で車を走らせて日本の名湯へ。アフリカ大陸と北極南極以外に降り立ち、行った国は30を越え、巡った温泉地は100を超える。沖縄観光メディアの編集者やホテルメディアの立ち上げ経験あり。「旅は人の心を豊かにする」と本気で思い、記事を執筆している。