京都市と公益社団法人京都市観光協会(DMO KYOTO)は11日9日、これまで以上にサステナブルな京都観光を進めていくため、京都観光行動基準(京都観光モラル)を策定したことを発表した。これにより、観光事業者・従事者、観光客、市民など京都観光に関わるすべての人が、今後互いを尊重しながらサステナブルな京都観光をともに創りあげていくことを目指す。
近年の京都観光は、大きく2つの課題を抱えていた。1つは近年の外国人観光客の急増等による一部の観光地の混雑や、文化・習慣の違いによるマナー違反などの観光課題だ。これにより市民生活にも大きく影響を及ぼす事態が生じていた。もう1つは新型コロナウイルス感染症拡大による旅行需要の激減だ。これは観光事業者はもちろん、関連産業や文化、芸術関係者などに甚大な影響を与えているのは言うまでもない。
今後、市民と観光客の安心・安全の確保を図りながら京都観光の回復を図るにあたり、京都市とDMO KYOTOは、新型コロナウイルス拡大以前の観光に戻すのではなく、観光課題の解決に加え、市民生活や地域文化を守りながら京都の魅力の発信する必要があると考えた。そこでこのたび、観光事業者・従事者、観光客、市民が互いを尊重しあい、かけがえのない京都を未来へと引き継いでいくための行動基準として京都観光行動基準を策定した。
京都観光行動基準(京都観光モラル)は、「理念」と「行動基準」の2つで構成されている。観光事業者・従事者へは地域活動への協力や観光客への質の高いサービス・商品の提供など、観光客へは地域のルールや習慣を敬った行動や環境にやさしい観光など、そして市民へは京都の歴史・文化の理解や観光客へのあたたかいおもてなしなど、サステナブルな京都観光をともに創りあげるための行動基準が記されている。
京都市と京都市観光協会は今後、観光事業者への研修や事例共有、多言語による観光客向け情報発信、京都市市民憲章の推進など、それぞれの主体において具体的な取り組みが進むよう、行動基準の周知や実践に向けた支援を行っていく。
新型コロナウイルスの影響がみられる前は、インバウンド需要増加により、国内観光客の減少が課題とされていた京都。コロナ禍により観光ニーズがなお減少している今、行動基準の制定という新たな取り組みにより、事業者・観光者・市民の三者の意識・行動が変化し、サステナブルな京都観光が実現することを期待したい。
【参照ページ】京都観光行動基準(京都観光モラル)の策定について ~京都が京都であり続けるために,観光事業者・従事者等,観光客,市民の皆様とともに大切にしていきたいこと~
【参照ページ】京都観光行動基準(京都観光モラル)
(Livhubニュース編集部)
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