アフリカ地域への旅行というと、どんなイメージが浮かぶだろうか。大自然や野生動物との触れ合いをイメージする人もいるかもしれない。もし、ホテルにいながら野生動物を間近で見れたら、楽しそうだ。
イタリアとトルコに拠点を置く建築設計事務所のMASK Architectsは、アフリカでよく見られるバオバブの木に着想を得たツリーハウス「BAOBAB Luxury Safari Resort(バオバブ・ラグジュアリー・サファリリゾート)」を構想している。円錐のような独特な外観が目を引く建物だ。
ツリーハウスには、リビングルーム、ベッドルーム、仕事をするスペース、プール、レストラン、スパなど、さまざまな設備が用意されている。
室内にいながらキリンの顔を近くで見たり、屋外プールに入りながら自然に浸ったりするのは、他ではなかなかできない体験だろう。まさに、ラグジュアリーなホテルだ。

Image via MASK Architects

Image via MASK Architects
BAOBAB Luxury Safari Resortは、水と電気を自給するサステナブルなホテルでもある。空気から水をつくる技術や、太陽光発電システムを導入する計画だ。MASK Architectsは、観光におけるラグジュアリーさとサステナビリティの両立を打ち出しながら、アフリカの水問題にも意識を向けさせようとしている。
ユニセフによると、世界には安全な水を手に入れられない人が6億人以上もおり、その半数近くがサハラ以南のアフリカで暮らしているという(※1)。サハラ以南のアフリカ地域を訪れるときは、こういう現状と向き合うことも大切だ。
MASK Architectsはウェブサイトで、「アフリカでは、必要な水がラグジュアリーなものになっています。水はラグジュアリーであってはならず、誰もがアクセスできるべきです」
と述べている。水を自給するアイデアは、「現地の水資源を奪うことを避けたい」という想いから生まれたという。
MASK Architectsは、アフリカのさまざまな場所で、同ホテルをつくることを目指している。誰もが安全な水を飲める世界にするにはどうすれば良いか、考えながら滞在したい。
※本記事は、ハーチ株式会社が運営する「IDEAS FOR GOOD」からの転載記事となります。
※1 どんなに汚くてもこの水を飲むしかない…。 | 日本ユニセフ協会
【参照サイト】MASK Architects has designed the world’s first Eco-Tourism based BAOBAB Luxury Safari Resort in Africa which produces its own water autonomously by using Air to Water technology that is powered by transparent solar device covered curtain glass – Maskarchitects
【関連記事】生ごみを循環。コンポストを導入しているサステナブルな宿11選
【関連記事】あなたはどう旅する? | 英国サステナブルトラベルの専門家に聞いた、旅の魅力


最新記事 by Livhub 編集部 (全て見る)
- 伊勢志摩・英虞湾の里海から、人と自然の共生とよりよい巡りを考える「サーキュラー・ツーリズム」 - 2023年10月2日
- ワーホリの基本を押さえる10のQ&A。未来が見えてなくてもいい、一度日本の外に飛び出してみよう! - 2023年6月22日
- Livhubでは「サステナブルな旅」を伝えるライターを募集しています! - 2023年6月20日
- 「いつも通りの1日」を大切にする。島根から“根のある暮らし”を提案する群言堂 - 2023年6月9日
- “動物が遊びにくる”エコリゾートをアフリカに。空気から水を作るホテルが誕生へ - 2023年5月2日