世界第2位の人口密度で知られる都市国家シンガポールでも、観光業におけるサステナビリティに関する取り組みが始まっている。
シンガポールホテル協会とシンガポール政府観光局は3月末、シンガポール国内ホテルの持続可能性に関する新しいロードマップを発表した。その中で、大きく2点の目標を掲げている。
一点目は、2023年までにシンガポールのホテルにおける温室効果ガスの排出量の追跡を開始し、2030年までに排出量を削減し、2050年までに排出量ゼロを達成すること。二点目は、2025年までにシンガポールのホテルの客室の60%が、国際的に認められたホテルの持続可能性認証を取得すること。(現状は10%)
また、環境負荷の低いホテル運営をするうえで重要とする分野として「水保全」「廃棄物管理」「リサイクルとサーキュラーエコノミー」「サステナブルな調達」「エネルギー節減」以上5点を特定している。
持続可能性をホテルにおけるコアバリューと位置づけ、野心的な目標を明示・達成することで、観光産業にとどまらずシンガポールの経済全体への波及効果も期待する。
コロナ禍で世界中の観光業が大きな痛手を被った。サステナビリティをその復興の旗印として、シンガポールは新たな成長に向けて再び歩み始めている。
【参照サイト】The Singapore Hotel Association
【参照サイト】Singapore Tourism Board
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拓馬
昔からつい遠くに趣いてしまう癖があり、気がついたら海外でノマド(遊牧民)に。インターネットという大自然の恩恵に浴し、世の中を斜に眺めながらの独り言。リアルの大地とデジタルという名の大空のはざまにさすらい、いまだ見ぬ世界への旅路を今日もゆく。

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