街全体が美術館に。「なおえつ うみまちアート」8月1日より上越・直江津にて58日間開催

この夏、新潟県上越市の直江津を舞台に「未来への交感」をヴィジョンに、「うみ/まち/ひと」をテーマに掲げ、「なおえつ うみまちアート」というイベントが行われている。

直江津は、豊かな自然と海運で栄えた日本海に面した港町。古くから商いとともに人と文化が交わりながらその時々の新たな価値を創造してきた土地だ。「時代を越えて受け継がれてきた先人たちの財産で、はるか遠くの未来を照らしたい。」 「文化や芸術が架け橋となって、街の魅力や賑わいをみんなで交感する風景をつくりたい。」 そうした思いを発端に、イベントは立ち上がった。

アートは、人間の根源から生まれた術であり、暮らしの中に息づく美しい生きる力。それは歴史という時間、街という空間と呼応しながら、普段意識することのない感覚をしなやかに揺さぶる。街中に展示されたアートを見ながら街を巡る中で、見慣れたはずの街が新しい風景へ、初めての体験が心の中に発見や感動の光を灯す活力になる。

街の歴史や文化、風土に触発されアート作品を展示するのは8組のアーティストだ。過去から引き継いできたものを尊重しつつ、今を生きる私たちの手で、未来の人たちにもつながる直江津を目指す。期間は、8月1日(日)~9月26日(日)の58日間、市内4ヶ所の会場で展示される。

「そらのみなと」
空間演出研究所 / 船見公園周辺海岸会場にて

 

「直江津アップサイクルセンター」
GELCHOP / 安国寺通り特設会場にて

 

「100年後・旧直江津銀行の姿」
西村優子 / ライオン像のある館にて

 

(撮影: 渡辺英司)
「名称の海園/めいしょうのみその」
渡辺英司 / 直江津屋台会館にて

イベントには、「上越市」をはじめ、上越で路線バスや貸切バスの運行を行い100年の歴史をもつ「頸城自動車株式会社」、そして、無印良品を展開する「株式会社良品計画」の3者が連携して、アート・デザイン・運営面で携わり協力する。これは、3者包括連携協定における「上越市及び直江津地域の活性化に資する取り組み」の一つで。「感じ良いくらしと社会」の実現に向けて、地域課題の解決や町づくりへの貢献を目指すという。

アートはその数だけ魅力があり、人の数だけの世界がある。街もまた、その数だけ多様性があるからこそ、楽しい世界が広がる。この夏は、海辺の街「直江津」に集い、みんなでここにしかない新しい体験を創造し、分かち合ってみてはいかがだろうか。新たな世界が切り拓けるかもしれない。

なおえつ うみまちアート
会場 新潟県上越市直江津地区
入場無料

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明田川蘭

大の旅好き&温泉好き。一人で海外へ、一人で車を走らせて日本の名湯へ。アフリカ大陸と北極南極以外に降り立ち、行った国は30を越え、巡った温泉地は100を超える。沖縄観光メディアの編集者やホテルメディアの立ち上げ経験あり。「旅は人の心を豊かにする」と本気で思い、記事を執筆している。