国内外における長期滞在型観光(ロングステイ)の普及・啓発活動に取り組む、一般財団法人ロングステイ財団は7月9日、株式会社JTBと一般社団法人全国古民家再生協会の3者により「古民家ツーリズム推進協議会」を設立し、第1回勉強会を開催した。
同協議会は、世代間、そして東京圏・地方との人口不均衡が著しい水準に達する「2040年問題」と「空き家対策問題」という日本の抱える社会的課題の解決に向けて設立された団体だ。この2つの課題解決にあたり、「地域の関係人口増加戦略」と「交流人口拡大戦略」を軸とする観光力の高いまちづくりを重要な戦略に据えている。
今後は、日本伝統文化の結晶でもあり、観光力の高い文化や自然資源が豊富な町や村、集落に残っている「古民家」を再生し、利活用することで新たな古民家ツーリズムの振興に取り組み、地域雇用の促進や各世代間の地域住民交流の活性化、地域関係人口創出、交流人口の拡大、空き家抑制、さらには「古民家」と「取り巻く集落」の環境の保全と文化の継承につなげていくという。
また、同協議会は最終目標として「100年続くまちづくり支援」を掲げており、目標達成に向けて総務省・国土交通省・観光庁と多くの地元関連事業者との「産官連携」を促し、「失敗例の共有」や「ひとづくり」「戦略構築」を支援していく。
なお、第1回となる勉強会には、全国から16の自治体や事業者、社団法人のほか、JTB総合研究所やANA総合研究所といったシンクタンクや、OTAのHomeAway株式会社、日本途家株式会社などを含む14の民間企業が参加した。
総務省の「平成30年住宅・土地統計調査」によると、全国の空き家数は846万戸にのぼり、全住宅に占める空き家の割合(空き家率)は13.55%と過去最高の数値となった。
しかしこうした全国に点在する空き家が、民泊などの宿泊施設として利活用されることで、日本の伝統文化に触れたいと考える旅行者にとっては、魅力的な観光資源となるはずだ。
京町家をはじめ、近年は古民家をリノベーションした宿泊施設も増えている。同協議会の活動により、多くの空き家が魅力的な宿泊施設として変貌を遂げ、観光事業の促進や地方創生につながることを期待したい。
【ウェブサイト】古民家ツーリズム推進協議会
【参照ページ】2019年第4号(2019年07月09日)「古民家ツーリズム推進協議会」設立のお知らせ
【参照ページ】平成30年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計
(Livhubニュース編集部)
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