「2020年東京オリンピック・パラリンピックを活用した地域活性化推進首長連合」(以下、首長連合)、株式会社ワンテーブル、株式会社ラカラジャパンが「インバウンド×キャッシュレス地域経済活性化最先端モデル事業」を実施する。
同事業では、首長連合に参加している全国各地の会員573団体に対して「市町村単位のキャッシュレス化」を推進するほか、事業導入自治体に対し、インバウンド集客のための送客・誘客プロモーションも実施する。
キャッシュレス化の取り組みとしては、地域の小規模の個店から商店街、スーパー、飲食店、百貨店、商業施設、スキー場、観光農園、お祭りなどのすべての事業者に対し、ラカラジャパンから無償で専用機、または静的QR(シール)等のキャッシュレス決済ツールを提供する。また、事業に賛同したキャッシュレス関連事業者の協力により、各社が展開する決済サービスへの対応を予定している。現在はAlipay、WeChat Payなどの中華系決済に対応しており、2019年2月末には日系QRコード決済数ブランド、2019年春にはクレジットカード、2019年6月からはフェリカ系電子マネーなどに対応する。
インバウンド集客のためのプロモーションについては、世界中で10億人以上のユーザーを抱えるメッセージングアプリ「Wechat」内の、ラカラ社の企業アカウントのフォロワー約数千万人に対して各市町村の情報配信を実施し、誘客を支援する。さらに、これまでインバウンド対応に取組んでいない、あるいはやり方が分からない地域の店舗に対して、インバウンドの受け入れ体制の構築や誘客支援を実施するほか、インバウンド需要を取り込める商品・観光資源等の開発も支援する。
今回の事業を推進する「首長連合」は、新潟県三条市長である國定勇人氏を中心に全国573団体が参加する団体だ。オリンピック・パラリンピックを機に地域が広域的に連携することによる地方創生の実現を目指す。そして、宮城県を拠点とするワンテーブル社は、東日本大震災の教訓に基づき「つくる力」としての食文化創造事業や、「守る力」としての備蓄・防災事業といった地域貢献に繋がる事業を手掛けてきた実績をもとに全体の企画をプロデュースする。さらに、ラカラジャパン社は、中国において約1500万店舗の加盟店と法人ユーザー、数千万人の会員基盤を有し、年間流通総額約72兆円に達する電子決済プラットフォーマーであるラカラペイメント社の日本法人として、インバウンド向けの電子決済サービスとインバウンドの誘客を中心に事業を推進する。
2018年3月に観光庁が実施した「訪日外国人旅行者の国内における受入環境整備に関するアンケート」の結果によると、インバウンドが抱える3大不満は「言語」「通信環境」「支払い」だ。それらの不満の解消に向け、最も不安にあげられる言語については100か国語の自動翻訳の実施、続く通信環境に対してはWi-Fiルーターのレンタルの実施、支払いについては普段の支払い手段での買い物のキャッシュレス化を図る。これらの取り組みが今後のインバウンド施策の好事例となるか、注目だ。
【参照ページ】2020年東京オリンピック・パラリンピックを活用した地域活性化推進首⻑連合 参加自治体一覧 573団体(418市 133町 22村)
(Livhubニュース編集部)
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