「十人十色」。10人いたら10通りの考え方がある……。10人が旅をしたら、10通りの体験があってよいはず。しかし、近年の “旅行・観光” はパリに行けばエッフェル塔を見に行き、東京に行けば渋谷のスクランブル交差点に行くなど、10人中9人が同じ行動をとるような状況が見受けられる。そうした事態に疑問を抱き、マスツーリズムのない、人と文化をつなぐような本物でプライベートな体験のある世界を目指し、人々の旅の仕方を変える目的で作られたサービスが「Withlocals」だ。
オランダ・エイントホーフェン発の旅・体験マーケットプレイス「Withlocals」は、現地の専門知識をもったローカルたちがホストとなり小規模でプライベートなツアーを提供している。ツアーでは、多くの観光客が訪れるような人混みは避け、地元の人が訪れるような本物の場所に案内してくれる。
さらに彼らはパタゴニアなども取得している、環境や社会に配慮した公益性の高い企業に与えられる「B corp認証」を取得しており、ノルウェーの気候テクノロジー企業Chooose社との提携により、ツアー、従業員、ビジネスフライトによる二酸化炭素排出量をオフセットすることで、100%カーボンニュートラルなツアーを提供している。
例えば、シンガポール生まれシンガポール育ちの食通と共に屋台飯をめぐるツアー。参加者のコメントには、「ただ美味しい食べ物を教えてくれるだけではなく、その背景にある文化やストーリーや歴史まで教えてくれて、より深く味わうことができた」といったような感想も並ぶ。
他には、マレーシア・クアラルンプールの地元の市場を現地のローカルと探索し、さまざまな食材を試食したうえで、ガイドの家で実際に一緒に料理をするようなツアーもある。ツアーの過程で、参加者はただ料理を食べるだけでなく、マレーシアの文化や政治について学ぶことができる。
「Withlocals」がレスポンシブルトラベル、つまりは責任ある旅行・体験を提供するうえで大切にししている原則としては、下記5点が掲げられている。
・現地の文化を尊重する
・過度な混雑を避け、防ぐ
・地域の人々やビジネスをサポートする
・自然環境を守る
・100%カーボンニュートラルである
「人と文化をつなぐことは、人間らしさの本質です。このようなつながりによって、私たちは互いに学び、共に成長し、すべての人にとってより良い世界を築くことができるのです」と、Withlocalsの創設者、Matthijs Keijは自社ページにて述べている。
旅が自分自身、そして旅先のローカルたちの人生もより豊かにするものになるように。こうした良質な体験を選択していきたい。
【参照サイト】Withlocals
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