「野菜は嫌いだから残してしまおう」
「賞味期限が切れたから捨てなくちゃ」
「今日も子どもが食べなかったから捨てよう」
最近、よく耳にする「食品ロス」という言葉。日本では、年間600万トン(※)にも及ぶ食品が捨てられている。日本人1人当たりに換算すると、1年で約47kg、毎日お茶碗1杯分のご飯を捨てているのと同じ量になる。
一方で、生産者も「まだおいしく安全に⾷べられるにも関わらず、店頭では売り切るのが難しそう」「このままでは⾃慢の商品を捨てるしかなくなってしまう……」といった問題を抱えている。
そこで、フードロス削減アプリ「TABETE」を中心とした、食品ロス削減事業を展開している株式会社コークッキングは、食品ロスの問題に立ち向かうべく、鹿児島県の一般社団法人大崎町SDGs推進協議会と協力。11月6日(土)~ 11月7日(日)の2日間、「おすそわけツーリズム」の実証実験を実施する。
開催地となる大崎町は、鹿児島県の東南部にある人口1.3万人の小さな町。2006年度から2017年度までの12年間連続で「リサイクル率日本一」となった自治体で、2018年度にリサイクル率「83.1%」という驚異的な実績を出している。SDGs未来都市にも選定されており、環境問題への取り組みは「⼤崎システム」として世界的にも評価されている。そして2021年4月、企業と協働で2030年SDGs達成に向けた実証実験や⼈材を育成するため、一般社団法人大崎町SDGs推進協議会が設⽴された。
今回の「おすそわけツーリズム」では、大崎町内の生産現場で採れすぎてしまった、または規格外で市場に卸せないような農産物等を消費者に届ける仕組みづくりを提供する。地域住民が直接農家まで訪れ、傷があったり形が曲がっていたりするものや、作りすぎてしまって余ってしまった野菜などを購入(おすそわけを受け取る)することができる。
生産者にとっては廃棄処分となる食品を削減することができるとともに、参加者にとっては、スーパーなどでは見かけないめずらしい形の野菜に触れることができ、農場のリアルを知るきっかけとなる。どのような食品ロスが生産現場で発生しているのかを知ることは、食品ロス削減に対する市民意識の向上につながり、さらには、農産物などを郊外だけでなく都市部を含めた「地域住民におすそわけする」といった、新しい地域循環モデルの構築にもつながるかもしれない。
おすそわけツーリズムの予約には、フードシェアリングアプリ「TABETE」を使用する。アプリ上で11月6日か7日の好きな体験日時を予約し、クレジットカード決済したら完了。公式LINE@登録後、詳細の案内が届く。当日になったら、農家さんのところへ直接向かい農業体験をする。そして自分で収穫した野菜は持ち帰って、家族みんなで食べよう!もちろん採れた野菜を、ご近所の方や友人、遠く離れた親御さんへおすそわけしてもいい。
実際に目で見て、肌で感じて食を学べる「おすそわけツーリズム」。少しでも食品ロスを削減したい方や、子どもに食育体験をさせたい方、農業に興味のある方など、ぜひ参加を検討されてみてはどうだろうか。
【参照サイト】おすそわけツーリズム公式ページ
【参照サイト】(※)平成30年度推計値|農林水産省
明田川蘭
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