北海道は9月5日、住宅宿泊事業法(民泊新法)下で運営中の民泊の宿泊実績と、苦情・通報等の情報を公表した。
宿泊実績は、新法施行日である6月15日から7月31日までの期間、報告対象1,046件のうち、報告済みの887件を対象に取りまとめた。
道内の宿泊日数は合計16,619日で、1住宅あたり平均18.7日だった。内訳は、札幌市が14,615日で1住宅あたり平均20.4日、道央(空知・石狩・後志・胆振・日高)が980日で1住宅あたり平均11.0日、道南(渡島・檜山)が353日で1住宅あたり平均16.8日、道北(上川・留萌・宗谷)は525日で1住宅あたり平均10.9日、道東(オホーツク・十勝・釧路・根室)が146日で1住宅あたり平均10.4日だった。
次に、宿泊者数は実数が25,290人、延べ数は60,596人だった。内訳は、札幌市が実数20,648人で延べ数53,282人、道央が実数2,356人で延べ数3,622人、道南が実数784人で延べ数1,225人、道北が実数1,187人で延べ数1,948人、道東が実数315人で延べ数519人と、札幌が大きく引き離した。
そして、国籍別の宿泊者数は、もっとも多い韓国が4,507人で、全体の17.8%を占めた。その後は2位が中国の4,346人、3位が日本の2,908人、4位が台湾の2,532人、5位が香港の2,072人、6位がタイの1,923人と続いた。
苦情・通報の件数の延べ数については、北海道と札幌市の民泊コールセンターの状況をもとに集計された。北海道は札幌市を除き、保健所を設置している函館市・小樽市・旭川市が所轄する旅館業法にかかる案件も受け付け、各市に対応を依頼している。
延べ数の合計をみると、合計91件のうち、北海道が23件、札幌市が68件だった。内訳は、5月はコールセンターを設置した5月30日と31日のみ集計し、合計3件で、北海道が1件、札幌市が2件だった。6月は合計41件で、北海道8件、札幌市33件、7月は合計32件で、北海道6件、札幌市26件、8月は15日まで集計し、合計15件で、北海道8件、札幌市7件だった。
苦情内容は、騒音や近隣住宅の敷地内への立ち入りといった宿泊客による迷惑行為や、標識の不掲示、違法民泊の疑いがある民泊の通報などであり、不透明な民泊運営がおもな苦情・通報の原因だった。
今回の結果で、北海道では人気観光スポットである札幌市がもっとも民泊が盛んであることがあらためてわかった。民泊新法施行後も一部で違法民泊の運営が続いていることが問題となる中、9月4日には大阪府が国土交通大臣に対し「違法民泊物件の仲介の防止に向けた措置等」についての要望書を提出している。
訪日客を含め、観光客の増加は地域活性化の要であるものの、届出のない民泊の違法行為が妨げとなっている側面は否定できない。新法施行から3か月が経とうとするなか、現存する違法民泊の合法化もしくは撤退に向け、どのような措置が講じられるか、引き続き注目だ。
(Livhubニュース編集部)
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