京都市は10月25日、「民泊」の適正な在り方とこれに係る独自ルールを検討する「京都市にふさわしい民泊の在り方検討会議」の2回目を開催した。来年6月に住宅宿泊営業法(民泊新法)が施行されることを受け、国の動向、市の民泊等に対するこれまでの取組などを整理、論点を確認し意見交換が行われた。
今回論点として挙がったのは、住居専用地域における規制だ。住宅宿泊営業法では年間営業日数を180日以内と定めているが、市は住居専用地域に限り、閑散期である1月から2月にかけての約60日間に制限する案を示した。
1月から2月とした根拠には、民泊通報・相談窓口における通報件数が少なかったことが挙げられ、生活環境の悪化に与える影響も少ないと判断された。具体的に昨年7月から今年6月にかけての通報件数をみると、1月と2月の通報は各月100件以上、その他の月は200件前後となっており、たしかに件数を比較すると少ない。しかし、生活環境悪化を防止するという観点からすれば、1月から2月にも100件を超える通報がある以上、それらの月だけに制限する理由として適切かどうか議論の余地がありそうだ。住居専用地域における制限を行う理由は、住宅と観光地が混在していることから無秩序に民泊が乱立し生活環境が悪化することが懸念されるためであり、京都市はそうした民泊が乱立しないよう規制を強めてきた経緯もある。
なお、こうした制限は、家主居住型や一定の要件を満たした京町家については対象外とすべきという意見が出た。今後は住居専用地域以外の地域についても実施期間の制限が必要か否か検討を行っていく見通しだ。第3回の検討会議は2017年11月4日(土)に行われる予定となっている。続く会議の動向に注視したい。
(Livhubニュース編集部 平井 真理)
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