JR九州、アリババグループと提携。アリペイ、フリギーを活用し、中国から九州に100万人の送客実現へ

JR九州は7月23日、アリババグループ(阿里巴巴集団)と提携したことを公表した。今後、九州地域経済の活性化のため、中国で6億人以上が日常的に利用する「Alipay(以下、アリペイ)」を九州旅行中に利用できるように環境を整備していくほか、1日平均1,000万人以上が訪問する旅行サイト「Fliggy(以下、フリギー)」を通じて中国から九州への訪日を促す方針だ。

アリババグループは1999年に設立した、世界最大の流通総額をもつ中国のオンラインモバイルコマース会社だ。BtoB、BtoC、CtoC向けのオンライン取引プラットフォーム、決済サービス、クラウド・コンピューティング等のサービスを提供している。そして、アリペイはアリババグループのアント フィナンシャル サービスグループが提供する世界最大規模のモバイルおよびオンライン決済プラットフォームであり、フリギーはアリババグループが提供する、中国人向けの旅行商品専門の販売プラットフォームだ。

同提携では、フリギーで九州の魅力的な観光地、温泉、食、文化を紹介し、さらにアリペイの利用環境を整備することで、中国から日本への観光客の誘致と消費拡大を図る。

両者は旅行前を「旅マエ」、旅行中を「旅ナカ」に区分し、事業スキームを構築している。具体的に、JR九州は「旅マエ」にはモデルルートの提案、D&S(デザイン&ストーリー)列車等のリソース提供、九州の旅行商品の仕入れ支援を行い、「旅ナカ」では、JR九州のグループ会社をふくむ地域企業へのアリペイ導入促進を支援する。一方、アリババグループは「旅マエ」に、データテクノロジーを活用し、中国人観光客の発見と送客、出店者との協働による旅行商品販売を行い、「旅ナカ」にアリペイの利用環境を整備することで決済をしやすくするほか、アリペイ加盟店の集客サポートを行う。

初めの取り組みとして、今回の提携を記念した特別旅行パッケージ「いつもと違う九州『或る列車』で行く」を販売している。このパッケージでは豪華なスイーツ列車「或る列車」をはじめ、観光列車で九州北部地域をまわり、温泉ホテルや特別ディナーを堪能する旅を提供する。

両者は今後の目標として、2018年10月から2019年3月までにアリババグループからの5万人の送客、さらに2023年度には中国から九州への100万人の送客、うちアリババグループから50万人の送客実現を掲げている。

【参照ページ】JR九州とアリババグループが戦略的提携 – 九州への送客 100 万人プロジェクトスタート –

(Livhubニュース編集部)

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