宮崎県の一般財団法人こゆ地域づくり推進機構は7月31日、同社がプロデュースする、宮崎県児湯郡新富町の一棟貸切宿「茶心(ちゃしん)」を、ふるさと納税ポータルサイト「ANAのふるさと納税」の返礼品として登録したことを発表した。
宮崎県児湯郡新富町の旧観光協会の法人化により設立されたこゆ財団は、地元の特産品販売と起業家育成投資の2つの事業を中心とする地域商社だ。7月22日には、ユニリーバ式のワーケーション「地域 de WAA」に新富町として参画が決まったばかりであり、地域経済の活性化に積極的に取り組んでいる。
「茶心」は、こゆ財団と新富町が連携して進めている空き家・空き店舗再生プロジェクトの一環として、1300平米の敷地にある古民家の約半分をリノベーションし、2019年5月にオープンしたエグゼクティブ向けの一棟貸切宿だ。「お茶の心を体験する宿」をコンセプトに、庭園を見渡せる縁側では、全国茶品評会で3年連続日本一に選ばれた茶園をはじめとする地元茶園の銘茶を愉しむことができる。また、23畳の瞑想ルームでは、時間を忘れて自分と向き合うことができる。
こゆ財団は「茶心」を通じてお茶に代表される日本の文化や精神性、風土を再発見してほしいという目的から、ふるさと納税の返礼品に出品した。これにより、寄附者やその家族が宿泊を通じて新富町に滞在することで、地域住民との交流や文化体験を通じ、人生において価値ある時間を提供することを目指している。
なお、返礼品は2種類用意されており、「1泊2日ペア宿泊券」は寄附額10万円で1泊2日、2名まで利用可能、「1泊2日特別宿泊券」は寄付額17万円に対し1泊2日・5名まで利用可能となっている。
総務省統計局が発表した「平成30年住宅・土地統計調査」によると、全国の総住宅数に占める空き家の割合(空き家率)は13.6%で、平成25年から0.1ポイント上昇し、過去最高となった。また、空き家数も過去最高の846万戸にのぼる。新富町でも、およそ200戸の空き家があり、防犯や防災、地域活性化の観点から大きな課題として捉えられていた。
こゆ財団はすでに、2018年に空き家を改装した簡易宿泊所「新富ノ家」をオープンしており、韓国や台湾、香港などを中心とする多くのインバウンドの宿泊利用実績をもつ。この活用事例を「茶心」に活かし、海外のエグゼクティブに新たな価値を届けつつ、「ANAのふるさと納税」返礼品として登録することで国内のエグゼクティブユーザーの獲得を目指す。
ふるさと納税を利用した同社の試みをより多くの人が知ることで、全国で空き家を再利用する流れが活発になることはもちろん、宿泊を通して地域の観光事業が一層盛り上がっていくことを期待したい。
【参照サイト】ANAのふるさと納税
【参照サイト】一般財団法人こゆ地域づくり推進機構
【参照サイト】茶の心を体験する高級一棟貸切宿「茶心」宮崎県新富町
【関連ページ】宮崎県の民泊・旅館業簡易宿所に関する条例・法律・規制
(Livhubニュース編集部)
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