handy Japanとソフトバンクが資本業務提携。宿泊事業のデジタル化に向けhandy導入加速へ

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宿泊施設を中心としたスマートフォンレンタルサービス「handy」を提供するhandy Japan株式会社と同社の持株会社であるhandy Japan Holdings Company Limited(以下、handy Japan HLD)は7月2日、ソフトバンク株式会社と資本・業務提携契約を締結したことを公表した。

同提携は、handyの導入促進およびhandyを通じたメディアの拡充やサービス開発を目的として行われた。同提携により、ソフトバンク社は、同社が有する顧客基盤と販路を活かし、販売代理店としてhandyの全国展開を加速させる。そして、資本提携のほか、ソフトバンク社が提供する通信環境およびIoTプラットフォームとhandyを組み合わせた新たなサービスを共同で検討・開発する。

handyは、インターネット接続や国内外への通話、多言語による周辺の観光案内などの機能を搭載したスマートフォンをホテルに設置し、宿泊者向けに無料で提供するサービスだ。日本では2017年7月の提供開始以降、国内ホテルの30%弱にあたる1,700ホテル、約24万室に採用されており、世界では82か国、約4,000のホテル、総客室数約65万室に採用されている。

handy サービスイメージ

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現在、handy Japan HLDはシャープ株式会社と、香港やシンガポールなど世界各地でhandyを展開するMango Internationalから出資を受けており、ここにソフトバンク社が加わることで、さらなる資本の増強が実現する。

今後、handy Japanは「Hotel IoT」「Travel Agent」「Media」の3領域に注力して事業を展開する見通しだ。

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目標とするのは、従来の宿泊施設運営において紙で行われてきたフロント業務や、電話や有線LANなどの通信設備のモバイル化・ワイヤレス化など、デジタル化の促進だ。これにより、handy上でのデジタル広告やデータビジネス等を展開し、広告主・事業者向けにプロモーション機会を提供していく。

handy Japan社CEO・勝瀬博則氏

handy Japan社CEO・勝瀬博則氏

同日、国内ホテルとして初めて、昨年7月1日にhandy専用端末と同サービスを導入したロイヤルパークホテルで共同記者会見が開催された。会見には、handy Japan社CEOの勝瀬博則氏、handy Japan HLD CEOでありMango社CEOであるTerence Kwok氏、ソフトバンク株式会社代表取締役社長執行役員兼CEO宮内謙氏の3者が登壇した。

勝瀬氏は、注力する3領域について説明し、同社の2年目の取り組みとして、観光業界全体の課題となっている無料Wi-Fiの分野に革命を起こすべく、日本にある全handyのテザリングを無料で提供する方針を明らかにした。

続いて、宮内氏は、ソフトバンク社が現在注力しているのは、IoT、AI、ロボット等の領域であり、スマホが普及した今、これからはIoTによって得られた膨大なデータを処理するAI技術が世のビジネスを再定義する時代がくるとしたうえで、handyがホテル業界を再定義する存在だとして、handy Japanとの提携に至ったと話した。

ソフトバンク株式会社代表取締役社長執行役員兼CEO・宮内謙氏

ソフトバンク株式会社代表取締役社長執行役員兼CEO・宮内謙氏

具体的に、共同開発における新サービスとして、まずHotel IoTの領域では、handy端末とPMSを連携し、スマートロック、無人チェックアウト、清算業務の自動化を行う。そして、Travel Agentの領域では、宅配や配車サービスと連携する。宿泊者は部屋から必要な注文ができ、支払いは宿泊料金とともに一括清算できる仕組みを整える。

さらに、Mediaの領域では、VRコンテンツを配信するプラットフォームを構築し、VRゴーグルと組み合わせたhandy端末向けに、スポーツ観戦、アニメ、ホテル施設案内、その他オプショナルツアーをバーチャルに体験できるコンテンツなどを配信していくほか、VoD(ビデオ・オン・デマンド)のコンテンツも提供する方針だ。また、ソフトバンク社のIoTプラットフォームに蓄積されたビッグデータとhandy端末から取得したデータを分析することにより、ユーザーが利用するhandy端末へ、多言語による宿泊施設の案内、提携店舗のクーポン、地域観光や防災などの情報を提供できるようにしていく。

ソフトバンク社は今後、同社グループの株式会社マイステイズ・ホテル・マネジメントの協力のもと、ホテル「マイステイズ」において、ホテル事業者および宿泊客のニーズや導入検証をhandy Japanとともに行い、その結果も参考にして新サービスの開発と事業を展開する見通しだ。

これから予定されている24万室へのhandyの導入が完了すると、1年で約8,600万泊もの宿泊客にリーチすることが可能となる。ソフトバンクの後押しによりhandyのシェア拡大が加速すれば、handyのメディアとしての価値が格段に向上するにとどまらず、国内旅行における無料Wi-Fiの課題を解消する画期的な成果が見込まれる。各サービスに付随する新たなビジネスチャンスの到来も期待できるhandyのさらなる展開に注目だ。

(Livhubニュース編集部)

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