世界最大の旅行プラットフォーム「Trip Advisor®」の日本法人であるトリップアドバイザー株式会社は7月11日、トリップアドバイザーのデータや利用者へのアンケートをもとに訪日客の動向を調査した「インバウンドレポート2019」を発表した。同調査では、世界9つの国と地域のトリップアドバイザーユーザー2万人を対象にアンケートを実施した。
トリップアドバイザーは、世界49の国と地域、28言語でサービスを展開する世界最大の旅行プラットフォームだ。サイトやアプリには毎月4億9,000万人が訪れ、訪日旅行を検討する人々にも多く利用されている。
このたび発表されたレポートでは、さまざまな角度から訪日客の動向や意識、満足している点、アプローチの手段などがまとめられている。まず、日本の情報への海外からのアクセス状況の推移をみると、トリップアドバイザーでの日本の情報へのアクセス数は年々増加しており、2013~2018年の年平均増加率は24%となった。
そして、国・地域別のアクセス数は、アジアからのアクセス数が52%と全体の約半数を占めた。一方、単独でアメリカが17%を占めており、世界一のアクセス元となっている。また、対前年のアクセス増加率をみると、インド、イタリア、ニュージーランドが上位で、近隣アジア以外の国と地域で日本に対する関心が高まっていることがわかる。
次に口コミデータから訪日客の特徴をみると、海外からの口コミ数が多い上位10都道府県は、全体の3割を占める東京都のほか、大阪府、京都府と都市部に集中している。しかし、宿泊・観光・飲食については、大都市圏以外の都道府県が高い評価を得た。
また、ホテルはオールインクルーシブとアパート型ホテル、レストランは肉料理を提供する店、観光スポットは寺社仏閣のほか、隠れ家的なスポットが人気であることがわかった。
外国人に人気の日本の体験・ツアーランキングは、カートや自転車、ナイトライフ、食事とさまざまな手段でその土地を知る体験への評価が高いことがうかがえる。また、体験・ツアーの口コミ数は北米からの投稿が60%を超えていることも特徴だ。
最後に、観光地としての日本については、アジアと欧米豪では訪日旅行でやりたいことに違いが出ている。日本に旅行することを考える際に影響される点として、アジアでは「季節のイベント」が63%と最も大きくなり、日本国内旅行者同様、四季の魅力を楽しむような旅行に需要があると考えられる。一方、欧米豪で最も大きいものは「伝統文化」、次いで「食文化」となっており、訪日旅行時に求めているものが国や地域によって大きく異なることが理解できる結果となった。
同レポートを担当したシニアリサーチマネジャーの櫻井泰斗氏は「この度のレポートでは、トリップアドバイザーのデータやリサーチから見る様々な傾向を訪日客の国や地域別に分析しています。マーケットによって訪日旅行に期待するものは異なるため、ターゲットのニーズを理解した上でアプローチすることが大切です。」とコメントしている。
レポートから、国や地域により訪日旅行の目的・行動が異なることがあらためてわかった。訪日客と一括りにせず国や地域にあったサービスを提供することで、評価の高い口コミやリピートが生まれ、今後のさらなる訪日客増加につながりそうだ。
【サービスサイト】トリップアドバイザー
【参照ページ】インバウンドレポート2019
(Livhubニュース編集部)
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