クチコミプラットフォームを提供するTrustYou株式会社は12月19日、過去2年間のビッグデータから分析した、外国人に選ばれるクチコミ高評価の日本の宿のランキングを発表した。
上位施設には「サービスのフレンドリー度」が評価された宿が並んだ。

総合ランキング第1位は、山梨県の「レイクヴィラ河口湖」だ。言語別ランキングの英語、中国語、タイ語の3部門でもトップ5入りしており、さまざまな国からの旅行者に人気だ。富士山を一望できる河口湖エリアにあり、約800坪の敷地内に2LDKと3LDKの貸しきりコテージ12棟を有している。最寄駅から近くはないものの、期待以上のホスピタリティと、心のこもったサービスを絶賛するクチコミが多数寄せられた。

レイクヴィラ河口湖コテージ外観、内部、敷地内からの眺望、スタッフ集合写真(前列左が宮下さん)
同施設の支配人・宮下氏は「2年前から日本人と外国人のお客様が3対7で逆転している。対応言語は英語のみだが、昨今は特にタイ、中国、台湾、シンガポールからのお客様が多く、ネットの口コミを見て選んだという方や、リピーターの方も多い。タビマエ、タビナカ、タビアトを通したお客様とのコミュニケーション手段としてメッセンジャーアプリ等を活用しながら、旅のトータルサポートもしている」とコメントしている。
総合の第2位であり、言語別ランキングの英語と中国語でもトップ5入りをしたのは、京都府京都市の「Guesthouse KYOTO COMPASS」だ。築100年になる京都の町屋を改築したゲストハウスで、ドミトリー2室と個室1室の小規模な宿だ。宿泊者向け日本文化体験のイベントとして習字教室等も開催している。夫婦で経営しており、妻の野上千津子氏は元キャビンアテンダントでホテルでの勤務経験もあるという。

Guesthouse KYOTO COMPASSの外観とオーナーの野上さんご夫妻
京都市内の立地ロケーションの評価は高くないものの、宿泊者がママ、パパと呼べる親しみやすいサービスや、歴史ある京町家での宿泊・文化体験等が訪日客の心をつかみ、さまざまな国から心温まる口コミが集まっている。
総合の第3位は、東京都の「ホテル籠名館 お茶の水本店」だ。同施設は、約120年の歴史をもつ老舗宿で、2014年に和と洋を融合させた和モダンなホテルへリニューアルしている。旅館時代から受け継ぐおもてなしのサービスや和を基調とした雰囲気、総客室数9室のプライベート感が特徴だ。特に英語圏の訪日客が多く、サービスの質やパーソナルな対応、客室の広さや快適さ、洗練された和の雰囲気に高い評価を集めている。

ゲストルーム「桜」、全室完備の信楽焼陶器風呂、客室で提供される和朝食「龍御膳」(パン、おにぎりも選択可)
同施設のマネージャー・石和氏は「小規模がゆえ、お客様と共有する時間や思い出も多く、互いに印象深い日々を過ごすことができている」とコメントしている。
訪日客が高く評価するポイント
外国人に高く評価される日本の宿の特徴をみると「サービス」と「日本的な建築や客室」が評価され、「立地」はあまり重視されないことがわかった。
「サービス」への評価についてみると、大規模で設備等の整ったラグジュアリーな宿よりも、多言語対応、サービスのフレンドリー度、ホスピタリティが重視されており、スタッフとのコミュニケーションを求めている外国人が多い。
そして「日本的な建築や客室」への評価についてみると、和風建築や日本らしい雰囲気を感じることのできる客室や空間や、日本ならではの体験への評価と満足度が高い。また、歴史ある古民家や京都市内に現存する京町家などを活用したゲストハウスや小規模な和風旅館をはじめ、日本の伝統美と欧米のスタイルがコラボした和モダンなデザイナーズホテル等への関心が高い。
最後に「立地は最重要視される要素ではない」点についてみると、ランキング上位の宿の中には、好立地ではない施設も多い。例えば、京都市内中心部には和多くの宿があるにも関わらず、主要駅や人気エリアから離れた場所にある宿に外国人が集まっているケースもあり、便利なロケーションよりも「サービス」などの他条件が重視されていることが明らかとなった。
(Livhubニュース編集部)


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