京都市は4日、今年度4〜8月までの「民泊」への指導状況を公表した。旅館業法における無許可営業が疑われるとして当該施設の営業者に指導した施設は331件、うち148件において営業停止を指導した。同市の「民泊」対策プロジェクトチームは「違法な民泊については、法令遵守を強力に指導する」としている。
京都市では5月に行った「京都市民泊施設実態調査」において、「民泊」の所在地が特定できないものが多数存在することが判明した。これを受け、7月より「民泊通報・相談窓口」を設置、午前10時~午後5時の間、無休で通報・相談を受け付けた。「民泊」対策プロジェクトチームは市民からの976件の通報に基づき、延べ1127回の現地調査を行った。その結果、調査指導対象となった施設は725件に上った。
営業者などが特定できた施設は331件、所在地が不明確、運営者が不明などの理由で指導ができていない施設は352件、民泊を行っていなかった施設は42件だった。
営業者などが特定できた331件のうち、違法な民泊148件の営業を中止させ、176件に対しては現在指導中だという。
行政区別の調査・指導対象施設数は、東山区が128件と最も多く、中京区112件、下京区103件、左京区93件、北区55件と続く。いずれも観光地から近い、またはアクセスが良い場所であり、市内中心部に集中する結果となった。
京都市では、年間5000万人を超える観光客が訪れ、宿泊施設不足が深刻化し、宿泊客の需要に応えるかたちで違法民泊が横行した。2020年時点で1万室分の新設が必要であり、うち現時点で開業予定のない6000室分が不足している。門川市長は6000室分の不足の解消は必ず実現できるとしており、国が検討中の「民泊新法」制定後も民泊に関する規制緩和を受け入れない方針だ。
【参照ページ】京都市 違法民泊148件営業停止 4〜8月
【参照ページ】旅館業法における無許可営業疑い施設に対する指導状況について
(Livhubニュース編集部 平井 真理)
平井 真理
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