神奈川県は看板を出さず無許可で運営する民泊施設を明らかにするため、県のウェブサイト上に許可施設の一覧を掲載する方針を明らかにしたとタウンニュースが12月16日付けで報じた。
箱根・湯河原をはじめとした県内では、一般住宅などを利用した民泊が増加しているという。箱根町では建築基準法第49条の特別用途地区の制度を利用して、条例により、住居専用地域においても宿泊施設の立地を認めている。もともと民泊をはじめやすい環境にも関わらず、旅館業法や消防法などをクリアしていない施設が混在しているのが現状だ。
県は今年度一般から情報が寄せられた26の施設を調査した。うち13件の「民泊」はその後営業を止めたが、その他は許可を得ていたケースや「たまたま知人を泊めていた」事例であったという。こうした実態把握の難しさに加え、「不特定多数の旅客が住宅地に出入りする事で地域の不安につながる」という意見も出ており、対策として許可施設の一覧掲載という手段を表明したものと推測される。
6日に行われた県議会では、高橋延幸県議が「健全な民泊を推進する取組について」の質問を保健福祉局長に向けて行い、県は議員の質問に対し「対策が盛り込まれなければ、条例化を検討する」と回答した。
神奈川県は、外国人観光客の受け入れ対策としての民泊について「国家戦略特区による民泊は有効性がある」とし、特区の活用を進める意向を示しているが、同時に無許可民泊に対して順次対策を講じていく方針であることがうかがえる。
【参照ページ】無許可の民泊、あぶり出し
【参照ページ】神奈川県議会 平成28年第3回定例会 本会議の質問議員と質問項目
【関連ページ】神奈川県の民泊・旅館業簡易宿所に関する条例・法律・規制
(Livhubニュース編集部 平井 真理)
平井 真理
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