神奈川県が県のウェブサイト上に民泊許可施設一覧の掲載を開始したことを、読売新聞が2月12日付けで報じた。
県のウェブサイトにおける「旅館業法許可施設一覧」の掲載は、1月末から始まっている。看板を出さず無許可で運営する民泊施設を明らかにする目的だ。
県が所管する保健所には、「不特定多数の人が出入りしている施設がある」、「ゴミの出し方がなっていない」、「騒音がうるさい」といった苦情や相談が寄せられているという。許可を得ている宿泊施設をリスト化して線引きを明確にし、このようなトラブルの防止につなげたい考えだ。
神奈川県には、横浜や箱根、鎌倉など多くの観光名所がある。2019年にはラグビーワールドカップ(W杯)の決勝が横浜国際総合競技場で行われることが決定しており、W杯が横浜にもたらす経済効果は少なくとも150億円と試算されている。さらに2020年東京五輪では、江の島が開催予定地に挙げられている。このため、現在、宿泊施設の増設、訪日外国人を楽しませる文化プログラムの開催、海外企業の誘致などが検討されている。
これを受け、黒岩祐治知事は民泊の推進に積極的な姿勢をみせている。昨年9月に行われた県議会では、国家戦略特区による民泊は有効性があるとした上で、特区の活用を進めていく意向を表明した。
民泊の普及が県の経済効果拡大に貢献することが期待される一方、無許可民泊の取り締まりは大きな課題となっている。県生活衛生課は「無許可営業の民泊施設は、インターネット上で明確な住所が記載されていないケースもあり、行政が施設を特定するまで時間がかかることもある。地域住民から寄せられる情報は重要で、気軽に相談してほしい」としている。
【参照ページ】民泊許可施設 県HPに一覧
【参照ページ】神奈川経済同友会、ラグビーW杯の経済効果拡大へ提言書
【参照ページ】旅館業の手続き等について – 神奈川県ホームページ
【関連ページ】神奈川県の民泊・旅館業簡易宿所に関する条例・法律・規制
(Livhubニュース編集部 平井 真理)
平井 真理
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