JR四国は29日、事業開発部門や鉄道事業部門にならぶ新規事業の開拓を図るため民泊市場へ参入することを発表した。まず京都市において京町屋風の木造2階建物件3棟を簡易宿泊所として4月中旬に開業する予定だ。
JR四国は、京都で簡易宿泊所事業を行う目的として、京都市はインバウンド観光客が多く民泊需要が高いことから安定した収益が見込めること、ゲストが盛んに訪れる京都市で民泊事業を行うことで民泊運用のノウハウを獲得し四国で展開予定の民泊運営の足掛かりとすること、京都の物件と四国の同種施設を連携することで四国へのインバウンド観光客の誘致を目指すことを挙げた。
今回は第一弾として、京都駅から徒歩15分の位置に「4S STAY 京都九条」(フォースステイ キョウトクジョウ)を開業する。新築の京町家風の一棟貸しタイプで、3組(各棟5名程度を想定)のゲストが宿泊できる。中庭を設け、京都の趣が感じられるようにするだけでなく、四国の工芸品である大谷焼の一輪挿し、砥部焼の急須・湯飲み、今治タオル、高知産檜風呂椅子等を設置することで四国文化の発信を行う予定だ。
同施設は4月中旬の開業に向け、建物が完成する1月末に旅館業法の簡易宿泊営業許可申請を行い、予約受付を3月上旬より開始する見通しだ。
6月に施行を控える住宅宿泊事業法(新法施行)を前に、JR四国は旅館業法簡易宿所の許可取得により民泊運営を開始することとなる。かねて四国は「農泊」や「シームレス民泊」などの形で民泊による宿泊者の受け入れを推進してきた。異業種の大手企業が次々と多岐にわたる運営方法で民泊市場に参入するなか、まずは京都で運用ノウハウを得てから四国での展開を目指すJR四国が、今後民泊市場をどのように盛り上げていくか注目だ。
【参考ページ】京都市での簡易宿所事業の展開について
(Livhubニュース編集部)


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