京都市は2017年度、無許可での違法な「民泊」への指導の迅速化に乗り出すことを京都新聞が3月14日付けで報じた。
京都市では、違法民泊の実態を探るべく、市職員が昨年4~12月に延べ1,848件の民泊を調査したが、442件で所在地や営業者を特定できなかった。実態把握が困難であることを受け、2017年度からは調査ノウハウを持つ民間業者に作業を委託し、市職員は営業の許可や中止といった従来の指導業務に特化する。民間のノウハウを活用し、市職員は本来行うべき業務に集中させることで対策を強化する狙いだ。
市は、調査の民間委託費1,880万円を2017年度当初予算案に計上した。5月にも公募で業者を決め、市への通報などを基に、年間約2,700件を調査する。サイト上だけでなく、現場にも出向き、所在地や営業者の確定につなげる。
このほか、4月から担当の衛生業務部門を再編する。これまでは、旅館業法に基づいた指導を行うことができる市職員90名を11区役所に分けて配置していたが、民泊が市中心部や観光地近くに偏在している傾向を踏まえ、1か所に集約する。職員が7人と最も少ない東山区において、民泊の指導件数が最多になるなどのミスマッチもあったことから、このような体制変更に踏み切ったとみられる。
4月からの新体制では、市役所本庁舎近くの中京区御池通高倉西入ルの民間ビルに保健福祉局直轄の拠点を設ける。数十人規模の職員が、行政区に関わらず現場に出向き、これまで区役所で行ってきた宿泊施設やスーパーへの検査指導、感染症対策、違法民泊への重点指導といった課題に取り組む。
【参照ページ】違法民泊、指導迅速化へ 京都市17年度から
(Livhubニュース編集部 平井 真理)
平井 真理
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