観光庁は1月16日、訪日外国人消費動向調査の結果として「平成29年年間値(速報)及び平成29年10-12月期の調査結果(速報)」を公表した。
これによると、平成29年の訪日外国人旅行消費額は速報値で前年比17.8%増の4兆4,161億円と推計された。平成29年は全ての四半期で過去最高額を記録し、年間値も過去最高となった。同調査結果の公表で5年連続過去最高額を更新したことが明らかになったが、4兆円を突破したのは今回が初となった。
一方で減少したのが訪日外国人旅行者1人当たりの旅行支出だ。速報値では前年比1.3%減の15万3,921円だった。国籍・地域別では、中国が最も高く23万円、次いでオーストラリア22万6千円、英国21万5千円の順で高い結果となった。
ただし、平成29年10-12月期を見ると、訪日外国人旅行者1人当たり旅行支出は速報値で15万2,119円と、前年同期比から3.4%増加するなど明るい兆しも見えている。
全体の旅行消費額は平成29年年間値では、中国が1兆6,946億円と最も多く、台湾5,744億円、韓国5,126億円、香港3,415億円、米国2,503億円と続き、これら上位5か国で全体の76.4%を占めた。平成29年10-12月期では中国が4,114億円と最も多いのは変わらないが、それに続くのは韓国で1,409億円、台湾は構成比わずか0.3%差の1,384億円で3位に転じた。
平成29年に最も訪日外国人旅行が消費した費目は「買い物」37.1%、「宿泊料金」28.2%、「飲食費」20.1%だった。
「買い物」の一人あたりの平均支出は5万7千円。最も買い物で消費した国は中国で8,777億円、一人あたりの平均額も11万9千円と他国を引き離して高かった。
「宿泊料金」の一人あたりの平均支出は4万3千円だった。最も宿泊料金を消費した国は中国で3,508億円だが、一人あたりの平均ではイギリスが97,303円と最も多く、オーストラリア、フランス、イタリア、ドイツ等の欧米豪が上位を占めた。この傾向は「飲食費」でもみられ、平均支出が3万1千円であるなか、イギリスの5万1,289円を筆頭に欧米豪が上位を独占した。このような個人消費額の高さから欧米豪が旅行消費額全体の底上げに貢献していることが伺える。
旅行消費額が大きい欧米豪市場は、旅行者数にも伸びしろのある期待のマーケットとして注目されている。かねて観光庁は地道なPRを展開しており、昨年7月には「欧米豪市場推進室」を設置するなどさらなる誘致の強化を図っている。政府は2020年の訪日外国人旅行者消費額を8兆円とする目標を掲げており、引き続き個人消費額の底上げを目指す考えだ。
【参照リリース】平成29年年間値(速報)及び平成29年10-12月期の調査結果(速報)
(Livhubニュース編集部 平井 真理)
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