「そろそろ旅に出たい。でもどうやって?」
新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)により引き続き移動が大幅に制限されている今。現状が収束したら、真っ先に海外旅行に行きたいと考えている人も多いかもしれない。しかし、2030年には世界中の人為的な温室効果ガス排出量の5.3%が、観光における移動により発生することが予測される中、私たちはこれからの旅行をどうサステナブルにしていくべきなのだろうか。
2020年11月、2度目のロックダウン中のイギリスで、その問いへの1つのヒントとなるサービスが誕生した。飛行機を使わない、陸路でのオーダーメイドの旅程を提供する旅行代理店「Byway」だ。
コロナウイルスの感染拡大以前から、イギリスの旅行代理店は苦境に立たされていた。しかし、「Byway」創業者のキャット・ジョーンズは、近くの公園までの旅を望むのも精一杯な状況で、パンデミック収束後の旅行業界をより持続可能なものにするため、本事業に取り組むことを決めた。
予約者の大半が地球環境への負荷を軽減できるサステナブルな旅を求めてやってくる一方で、中にはそうではない人もいる。例えば、シンプルに陸路の旅行を楽しみたいとか、旅の細かな計画は億劫なので任せたいと感じている人たちだ。そのような人たちにもサービスを魅力的だと思わせる理由がBywayにはある。
Bywayのサービスサイトで、「Build your holiday (あなたの休日を作る)」と書かれたボタンを選択すると、下記のようなの質問が表示される。「あなたが楽しめそうな休日の写真はどれ?」と問いかけられ、写真の選択を促される。
さらに、「あなたにとって休日の体験で一番大切なのはどれ?」と質問は続く。
こういった質問に楽しんで答えていき、回答を送信することで、ユーザーに適した提案が受けられるという流れだ。大量の旅先や旅行プランからどれがいいかと選択するより簡単で、わくわく感もある。
”Explore by traveling through, not flying over. ー 空を飛び超えていくのでなく、道を縫うように旅をしながら世界を見に行こう。” ウェブサイトで彼らはこう言う。そして、実際にその呼びかけに呼応するように、リリースして半年が経過した今でもサービスの予約者は絶えない。
現状Bywayが扱う旅程のほとんどはイギリス国内のものだが、新型コロナの収束や渡航制限の解除に合わせて、今後はヨーロッパ全域、そしてより遠くまでの旅行も取り扱う予定だという。
飛行機は、私たちを速く遠くまで連れて行ってくれる素晴らしい交通手段だ。しかし、電車や船、自転車や徒歩などで移動する「スロートラベル」という選択をした時、私たちはどんな旅ができるのだろう?どんな道を巡れるのだろう?今はそんな想像を楽しみながら、次に旅に出る日を心待ちにしたい。
【参照サイト】Byway
【参照サイト】UNWTO “TOURISM’S CARBON EMISSIONS MEASURED IN LANDMARK REPORT LAUNCHED AT COP25”
【アイキャッチ画像】Jacobite
【転載元】飛行機を使わない「スロートラベル」を楽しもう。陸路専門の旅行代理店『Byway』| 世界のソーシャルグッドなアイデアマガジン | IDEAS FOR GOOD
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