ブルガリアの朝ごはんが紡いだ物語
「朝ごはんほど大切なものはない。良い朝は良い一日だから」 あるゲストハウスの小さなキッチンでエスプレッソを一杯、バゲットに生ハムとチーズを頬張りながら彼は言った。静かなのに独りではない空気を持つ人だと思ったのをよく覚えて…
「朝ごはんほど大切なものはない。良い朝は良い一日だから」 あるゲストハウスの小さなキッチンでエスプレッソを一杯、バゲットに生ハムとチーズを頬張りながら彼は言った。静かなのに独りではない空気を持つ人だと思ったのをよく覚えて…
鶏の鳴き声で目を覚ます。 少ししっとりとした空気の中、馬のウーフォが早くも朝ごはんを探しに駆ける音が聞こえる。 ログハウスのような家の木製の窓を開けると、遠くまで波のない凪いだ地中海。 ここはバルカン半島の最南端の町。旅…
旅は、冒険を着ること。 そして、忙しない日常から自分に時間を還すこと。 イギリスには珍しく晴れた夏の朝。35Lのバックパックに服と本と少しの緊張感を詰め込み、靴のベルトをキュッと締める。飛行機で4時間半、向かったのはキプ…
所狭しと積み重なる鍋。皮が剥かれた山盛りのレモン。暗がりのなかの小さな一台のガスコンロ。大きな包丁に洗ったばかりの数本のごぼう。食器棚のうえの1本の真っ赤な薔薇。 言葉も文化も異なる行ったこともない世界の国々のキッチンには…