【民泊ウィークリーダイジェスト】民泊新法に向けて動き出す自治体。京都、新宿ら独自の枠組みを検討

民泊ウィークリーダイジェストでは、毎週月曜日に先週公表された民泊業界に関連する注目ニュースやコラムをLivhub 編集部がピックアップしてお届けします。

先週の民泊関連注目ニュース記事

京都市、新たに民泊対策部署設立へ。
From Livhub(2016/12/13) / 重要度:★★★ / 対象:ALL

京都市が民泊施設の監視や指導などを担う部署を2017年4月に新設すると報じられました。同部署は保健福祉局内に新設する見通しで、まず区役所が担っている医療・衛生関連業務をまとめ、宿泊施設の営業認可申請の受付や飲食店で発生する食中毒に対応し、民泊の監視や指導を行いつつ、指導ノウハウの蓄積を図る見通しです。京都市はかねて民泊に対して自治体独自の管理権限を国に求めていることから今後も対策を強化することが想定されます。

新宿区、「都市型民泊ルールのモデルケース」を目標に掲げ、独自の民泊ルールづくりを開始。
From Livhub(2016/12/16) / 重要度:★★★ / 対象:ALL

東京都新宿区が民泊に関して新宿区独自のルールづくりを開始したと報じられました。
新宿区は10月に、新宿区にふさわしい適正なルールづくりを目的とした「新宿区民泊問題対応検討会議」を設立しており、民泊新法制定前に区はできるかぎり独自ルールを定めたい意向を打ち出しています。年度内には条例案をまとめる方針としており、着々と対策を進めていることがうかがえます。

神奈川県、県のウェブサイトに「民泊許可施設の一覧」を掲載する方針を表明
From Livhub(2016/12/17) / 重要度:★★☆ / 対象:ALL

神奈川県が県のウェブサイト上に民泊許可施設の一覧を掲載する方針を明らかにしたと報じられました。神奈川県は外国人観光客の受け入れ対策としての民泊について、「国家戦略特区による民泊は有効性がある」とし、特区の活用を進める意向を示していますが、同時に無許可民泊に対して順次対策を講じていく方針であることがうかがえます。

先週の民泊関連注目コラム

AirbnbツアーサービスをLAで体験してみた -「民泊+ユニーク」が映した風景
From 東洋経済オンライン(2016/12/10) / 重要度:★☆☆ / 対象:ALL

Airbnbが新たにはじめたAirbnb Tripの体験記事です。その土地ならではの魅力や見どころを一番よく伝えられるのは、旅行代理店の担当者でもなければ旅行雑誌の編集者でもなく、その地に暮らす地元の人々。だからこそ、ホストが宿だけではなく、ツアーガイドをすることに価値がある。そんなことを感じさせてくれる内容です。

京都で開業ラッシュ、「高級ホテル戦争」勃発 -街を挙げて「違法民泊」には徹底抗戦
From 東洋経済オンライン(2016/12/12) / 重要度:★★☆ / 対象:ALL

違法民泊に対しては厳しい姿勢を取り続けている京都ですが、その陰で増加しているのが、旅館業法簡易宿所の許認可を取得した宿泊施設です。記事によると、京都市内の簡易宿所営業数は2006年度は200軒程度だったのに対して2015年度には696軒まで増加、今年4~10月で1086軒にまで増えているとのことです。実に10年間で5倍以上のペースで増えています。外資系をはじめとする高級ホテルの開業ラッシュも続く中、京都では合法民泊の競争もより激化していきそうです。

ウーバーやエアビー、事業多角化で示す「物語」
From Wall Street Jounal 日本版(2016/12/13) / 重要度:★☆☆ / 対象:ALL

Airbnbの事業多角化に関する記事です。新サービスのTrip開始に伴い、ホームシェアリング・民泊という枠を超えて観光やレストラン予約、航空券手配なども含めた総合旅行プラットフォームへと進化を遂げようとしているAirbnb。世界中の都市で民泊に対する法規制強化などの逆風が吹く中、Airbnb Tripは同社が投資家からの期待に応え続けるための重要な成長戦略ストーリーでもあることが分かります。

IR法成立…カジノ解禁のあり方、ようやく本格論議開始 誤解・偏見排除して英知結集を
From JAPANstyle 訪日ビジネスアイ(2016/12/16) / 重要度:★★☆ / 対象:ALL

今週15日にカジノを中心とした統合型リゾート(IR)整備推進法(通称カジノ法)がついに可決されました。カジノ関連市場や約1兆円とも言われており、インバウンド増加の呼び水として民泊運用への好影響も期待されます。解禁に向けた今後の議論に引き続き注目です。

Livhub 編集部より一言

先週は自治体関連のニュースが相次ぐ賑やかな1週間となりました。かねてより違法民泊に対しては一貫して厳しい姿勢を表明していた京都市が、新たに民泊施設の監視・指導専門部署を設立、取締りを強化すると公表したほか、大阪市長の吉村氏も13日に自身のTwitter上で「違法民泊はドンドン摘発して厳しく取り締まる」と発言し、話題になりました。新宿も新たな条例の制定に向けて動き出したほか、特区民泊の活用を検討中の神奈川県も、許認可取得済の民泊施設一覧の公開を通じて違法民泊との線引きを明確にする姿勢です。来年の通常国会に提出される予定の民泊新法を前に、各自治体が民泊に対する姿勢を明確にし始めており、それと共に違法民泊への風当たりはますます強まりそうです。

(Livhub 編集部)

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Livhub 編集部

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