【民泊ウィークリーダイジェスト】民泊年間営業日数は年180日上限、違反は行政処分対象

民泊ウィークリーダイジェストでは、毎週月曜日に先週公表された民泊業界に関連する注目ニュースやコラムをLivhub 編集部がピックアップしてお届けします。

先週の民泊関連注目ニュース記事

民泊年間営業日数は年180日上限、違反は行政処分対象へ。国土交通省、厚生労働省が決定。

From Livhub(2016/12/04) / 重要度:★★★ / 対象:ALL

国土交通省、厚生労働省が民泊年間営業日数を年180日上限とすることを決定したと報じられました。「年180日以上」という基準は、180日以上貸し出す場合は「社会通念上、一般民家としてみなせなくなる」として設定されました。民泊新法では、営業日数の規定のほか、住宅を提供する人に対し「自治体への届け出」、仲介サイトに「観光庁への登録」を義務付け、家主が住んでいない部屋を提供する場合には「管理業者の登録」も求められ、これらに違反すれば業務停止命令など、行政処分の対象となる予定です。民泊ホストは、同法に違反しないことはもちろん、近隣住民への配慮、民泊仲介サイトの対応などを迫られることになりそうです。

Airbnbとニューヨーク市が和解。違法民泊の罰金はホストに直接適用へ
From Livhub(2016/12/05) / 重要度:★★☆ / 対象:ALL

Airbnbとニューヨーク市との間の違法民泊に対する罰則をめぐる争いが和解で決着したことがわかりました。ニューヨークでは、総戸数が2戸を超える集合住宅について、まるまる貸し切りの形で30日未満の短期貸し出しをすることが禁じられており、今年の10月にはルールを破った場合は1物件につき最大7,500米ドルの罰金をAirbnbなどの民泊プラットフォームに課すという法案が可決されていました。この法案は短期の民泊物件の広告出稿も違法と見なしており、違反した場合の罰金は1回目が1,000米ドル、2回目が5,000米ドル、3回目以降は7,500米ドルというルールでしたが、今回の和解により今後は違法な民泊運用に伴うリスクをAirbnbなどの民泊サイトではなくホストが直接背負うこととなりました。

民泊の規制に疑問。弁護士が確認を求め、全国初の提訴。
From Livhub(2016/12/10) / 重要度:★★☆ / 対象:ALL

民泊の運用に関し、法律による規制対象が明らかでないとして、都内の弁護士が「旅館業法にもとづく江東区長の許可を受ける義務がないことを確認する訴え」を東京地裁に提起したことがわかりました。今回の訴訟が民泊に関する法解釈への問題提起として有意義なものとなるか、注目が集まります。

先週の民泊関連注目コラム

Airbnbが世界で初めて「コミュニティハウス」を建てた理由
From Life Hacker(2016/12/11) / 重要度:★★☆ / 対象:ALL

政府が民泊を推進しようとしている理由。その一つが、インバウンド需要を地方創生につなげるうえで、民泊がその起爆剤となりうると考えているからです。空き家問題も深刻な地方にとって、民泊は上手く活用すれば地域経済を再活性化する切り札となるのです。そんなモデルケースを作ろうと、Airbnbが奈良県の吉野町に、新たなコミュニティハウスを建設しました。「テクノロジー」ではなく「人」を事業の中心に据え、地域に利益を還元しようとするAirbnbの考え方が分かります。

Livhub 編集部より一言

来年の通常国会に提出される予定の民泊新法において、民泊の年間営業日数の上限を年180日とすることが決まりました。30日以内を主張していたホテル・旅館業界と、最低でも180日と主張していた不動産業界との間で利害調整が進められていましたが、最終的な着地は180日となりました。ただし、依然として両者の意見の相違は残ったままで、営業日数の定義については旅館業界が「営業期間の上限」としているのに対し、不動産業界は「客を受け入れた日数」としており、最終的に営業日数がどのような定義となるのかも注目です。また、世界に目を向けてみるとAirbnbがニューヨーク市と違法民泊をめぐる罰則について和解に応じたほか、ロンドン、アムステルダムでも年間宿泊日数制限が決まる(それぞれ90日、60日)など、Airbnb自体が自治体との協調路線へと転換を進めています。日本においても新法制定後、Airbnbがシステムによってホストアカウントに宿泊日数の制限を課す可能性もあり、来年は日本の民泊の今後を占う上でも重要な年となりそうです。

(Livhub 編集部)

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Livhub 編集部

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