「待ちに待った夏がやってきた。でも、どう過ごそう?」
新型コロナウイルス感染症により、夏の風物詩といわれるお祭りや花火大会の中止の知らせが去年に引き続き、相次いでいる。実に7割以上のお祭りが中止され、開催された場合でも、規模の縮小やオンラインでの開催といった形をとるものが大半を占める。祭に対しての意識調査によると「今後、祭りが開催されなくなってしまうのではないか」と不安を覚える人が4割を占めるという結果もでてきている。
このように夏の催しを求める声が高まりつつある中、30件の旅館が軒を連ねる熊本県奥阿蘇にある黒川温泉が、7月1日から8月31日まで「黒川温泉 湯涼み」を開催することを発表した。日本の夏を楽しむ機会が減っている中、都会から離れて、ゆっくりと日本の夏の文化を楽しんでもらうために始めた新しい取り組みだ。
「黒川温泉 湯涼み」では、黒川風鈴というオリジナルの風鈴が旅館や商店に飾られ、その穏やかで優しい音色を楽しむことができる。この風鈴は、鐘に5円玉の原料でもある真鍮(しんちゅう)と呼ばれる合金を使用。短冊には、山里の恵みでもある小国杉を用いている。
黒川風鈴の優しい音色は、災いから守ってくれる魔除けとして使われていた歴史があり、今もなお黒川温泉を守り続けている。7月半ばには、穴湯大杉跡に「黒川風鈴アーチ」が飾り付けられる予定で、風鈴の音色と美しさに夏を感じることができるだろう。
8月20日からは、黒川温泉に宿泊している方限定の体験として、今では希少である日本製の線香花火を味わうことができる「本物の線香花火~日本の伝統“和火”に親しむ~」を開催する。1日4組限定の予約制である。
近年、市場に溢れているのは中国製の線香花火であり、日本製の線香花火を製造しているメーカーは、国内に3社しかない。日本製の線香花火は、中国製よりも長持ちするのが特徴。職人の手によって、一つひとつ丁寧に作られているのが何よりの魅力である。黒川温泉街にかかる、丸鈴橋(まるすずばし)の川縁で、線香花火のほか、 和火、 洋火と約8~10種類の花火で夏を満喫しよう。
年間100万人が訪れるという熊本県阿蘇地域の黒川温泉。日本の伝統文化のひとつである花火と風鈴の音を味わいながら夏を感じに、訪れてみてはいかがだろうか。今は行くことができない人も、黒川温泉にある音や香りに身体を澄ませ、自宅に風鈴を飾ってみるのもいいかもしれない。
【参照サイト】黒川温泉 湯涼み
【参照サイト】黒川温泉公式サイト
【参照サイト】一般社団法人マツリズム 祭に対する意識調査(2021年4月)
むなかたりょうこ
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