SOMPOホールディングスがakippaを関連会社化、駐車場シェアリング事業参入へ

SOMPOホールディングス株式会社は10月3日、駐車場シェアリング事業の最大手であるakippa(あきっぱ)株式会社の株式約33.4%を取得し、関連会社化したことを発表した。これにより同社は、駐車場シェアリング事業に新規参入する。

akippa(あきっぱ)は、駐車場の利用者と遊休駐車場を所有するオーナーを仲介する、駐車場シェアリング事業の最大手企業だ。2014年より駐車場予約アプリ「akippa」の運営を開始し、現在、約150万人の会員を抱え、全国31,000か所以上の駐車場を管理、運営している。

MaaS(Mobility as a Service=移動のサービス化)は、あらゆる交通手段を一元的に移動サービスへ統合することで、利便性の向上や効率化を図る取組みとして、近年、自動車業界に留まらずさまざまな分野で注目されている。SOMPOホールディングスは、自動運転サービス実証ソリューションの開発や個人間カーシェアリング事業、マイカーリース事業に参入するなど、MaaS関連事業を将来に向けた成長分野と位置付け、「安心・安全・健康のテーマパーク」へのトランスフォーメーションの実現に向け、事業領域の拡大に取り組んできた。

このたびSOMPOホールディングスが駐車場シェアリング事業最大手であるakippaの株式を取得したことで、「安心・安全」を届ける約5万店のリアルな保険代理店網と、約1,300 万件の自動車保険データを保有する同社の強みと、ウェブプラットフォームサービスのノウハウをもつakippaの強みを活かし、「akippa」のシェアリング型駐車場および会員数の拡大を目指すとともに、MaaS関連事業の新たな成長ドライバとして、さらなる事業拡大を図る。具体的には、自動車を手放したことなどにより遊休スペースを持つ顧客に対し、SOMPOホールディングスの完全子会社である損害保険ジャパン日本興亜株式会社の保険代理店からシェアリング型駐車場への登録を提案する。

提携概要

SOMPOホールディングスは、駐車場シェアリング業界について2030年度までに約600億~1,000億円規模の市場に成長すると見込んでいる。このたびのakippaとの戦略的業務提携の効果により、2022年には会員数1,000万人、駐車場拠点数20万拠点まで拡大していく予定だ。また保険を通して、駐車中におけるオーナー・ユーザー双方の不安を解決していくことを目指し、駐車場での自動車リスクに特化した「駐車場シェアリング専用保険」の提供を検討する。さらに、個人間カーシェアリング「Anyca」、マイカーリース「SOMPOで乗-る」との協業により、「駐車場があれば車を購入したい」「広い駐車場があれば大きな車を買いたい」という顧客ニーズに対応し、マイカーリースの販売拡大につなげる方針だ。

akippaによると個人におけるシェアリングエコノミーを利用する上での課題として、モノ・サービス等の利用者、提供者ともに「事故やトラブル時の対応が不安」という回答がもっとも多い現状があり、遊休資産の貸し出しをためらうオーナーも多くいるという。一方、損保ジャパン日本興亜をはじめとする損害保険業界の売上は、自動車保険が過半を占めるものの、今後、自動運転の普及、高齢者の免許返納、カーシェアの普及など市場環境が変化することで自動車保険の需要減少が見込まれており、MaaS関連事業の取り組み等、自動車保険以外の事業を強化している現状がある。提携により、akippaはこれらの課題の解消に向けて取り組む構えだ。

個人におけるシェアリングエコノミーを利用する上での課題

シェアリングエコノミーの認知が広がりつつある近年、このたびの提携のような各々の強みを生かしたシェアエコ関連サービスはさらに展開しそうだ。今後の遊休資産の利活用への取り組みに引き続き注目だ。

【参照ページ】SOMPOホールディングス株式会社 駐車場シェアリング事業への新規参入 ~akippaへの出資による関連会社化~
【参照ページ】SOMPOホールディングス
【参照ページ】akippa

(Livhubニュース編集部)

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