奈良市は10月2日、市内東部地域を対象に奈良市独自の「さとやま民泊」を推進するため、大阪府に本社、奈良市に支店を置く有限会社オクダと9月27日に連携協定を締結したことを公表した。
「さとやま民泊」とは、住宅宿泊事業法における民泊だけでなく体験型観光全般を指す奈良市独自の造語だ。市内東部地域の住民や事業者が主体的に農村地域の地域資源を活かした宿泊、体験、食事、買い物等のサービスを提供できるよう、奈良市が推進・支援する。同協定に基づき、奈良市とオクダ社は、主に「『さとやま民泊』に関する体験コンテンツの掘り起こしに関すること」「体験コンテンツの広報・PR・販売システムに関すること」「その他、両者が協議し認めた地域振興に関すること」の3点に取り組む。
今回、奈良市と連携協定を結んだオクダ社は、旅館業法に基づく旅館業や、広告・宣伝と販売促進に関する企画・販売を行っている。2004年に旅行事業部を開始して以降、トラベルコンシェルジュとして顧客とともに作るハンドメイド旅行をプロデュースし、2013年より小グループ対応のインバウンドツアーを提供している。そして2018年4月には奈良支店を開設し、国内外の旅行客に向け、日本の里山の魅力をPRしている。
住宅宿泊事業法を地域振興に活用し、民間事業者と連携協定を結ぶのは奈良県では初めて。奈良市はこれらの取り組みについて「市街化調整区域での積極的な民泊推進は、持続的な地域づくりのひとつの手法」としたうえで「里山地域の既存の観光業、農業等と住宅宿泊事業法を一体的に商品化・PRできるようになる」と今後の方針に触れた。また、連携により培ったノウハウは、協定終了後に地域住民の要望があれば提供するとしている。
住宅宿泊事業者の届出受付を開始した3月15日から9月14日までの累計件数は、全国の届出受付が8,926件、うち受理済みは7,719件となっており、このうち奈良市の届出受付は25件、うち受理済みは18件となっている。今後、同協定による取り組みが進むことで市内の民泊事業が活性化するとともに地域活性化へとつながることに期待がかかる。
【関連ページ】奈良県の民泊・旅館業簡易宿所に関する条例・法律・規制
(Livhubニュース編集部)
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