世界最大級のバケーションレンタル会社HomeAwayと、広域連携DMOである「せとうちDMO」の事業支援を担う株式会社瀬戸内ブランドコーポレーション(以下:瀬戸内ブランドコーポレーション)は4月19日より瀬戸内地域のインバウンド旅行者の観光推進における業務提携を開始することを公表した。
同提携により、政府主唱の「(新)観光立国推進基本計画」に併せ、瀬戸内エリアの観光資源を活かしインバウンド市場の拡大を図る。瀬戸内地域における歴史的建築物を活用した優良な宿泊施設を開発し、海外の旅行者に対し積極的にマーケティングを行っていく。
瀬戸内ブランドコーポレーションは、同社が開発支援する一棟貸し宿泊施設への外資オンライン旅行会社としてHomeAwayを戦略的パートナーに指名し、関与する施設において専属契約を推奨していくと共に、同社が100%所有する施設においてはHomeAwayを外資オンライン旅行会社カテゴリに関して専属契約する。
一方、HomeAwayは、インバウンド旅行者に向けて瀬戸内地域の認知向上、瀬戸内ブランドコーポレーションが開発支援する宿泊施設開発エリアと宿泊予約のマーケティングを担い、両社で瀬戸内地域のインバウンド活性化、促進を狙う。宿泊施設に対しては同社オリジナルブランドグッズとして推薦状スタンドや玄関や壁にはるステッカー、マグカップなどの支援も実施する。
HomeAwayによると、今回の提携の狙いは2つあり、1つ目は、瀬戸内エリアの魅力だ。瀬戸内エリアは2010~2016年のインバウンド成長率が全国平均170%に対して240%と高いことをあげた。2つ目は、「せとうちDMO」が日本最先端を行く広域DMOである点だ。HomeAwayはユニークな施設の増強につながると確信したという。
「せとうちDMO」事業では、瀬戸内地域において2021年までの5年間で100棟の歴史的建築物を活用した宿泊・商業施設の開発を目指していく。その第一弾として4月19日より、愛媛県内子町の古民家を活用した宿泊施設「町屋別荘こころ」と「ホテルこころ・くら」の予約をHomeAwayで開始した。
予約を開始する宿泊施設は1日1組限定で古き良き内子(うちこ)の暮らしが体験出来る古民家宿だ。「ホテルこころ・くら」は大正時代に建てられた物件をリノベーションし、宿泊施設として活用している。
また「町屋別荘こころ」は、明治時代に建てられた物件で、もとは倉庫として使用されていたものを宿泊施設に改装した。宿泊料金はいずれも1泊8,000円。1日1組3名までとなっている。これらの宿泊施設は旅館業法上の簡易宿所として運営される。
さらに「せとうちDMO」事業では、クルーズ、サイクリング、アート、食、宿、地域産品の6つの領域に注力する方針だ。具体的には、瀬戸内海のハイエンド向け宿泊クルーズ事業に対する支援、滞在型ヨットクルーズ事業の支援、地元魚介類と温浴施設などの複合レジャー施設に対する支援、瀬戸内コンテンツ「STU48」の育成、せとうちDMOメンバーズ、古民家宿泊事業に対する支援を展開する。複数の古民家をレストランや宿泊施設に転換し、まるごとエリアリノベーションする方針だ。
瀬戸内ブランドコーポレーションは、今回の提携の狙いについて、HomeAwayからマーケティングナレッジを提供してもらいインバウンドに最適化された宿を開発していく点にあり、顧客適性を考えるとHomeAway上でのプロモーションが効率的だと考えたとしており、瀬戸内エリアのグローバルブランド化を目指す方針だ。
また、提携を通じて得られたマーケティングデータは両社で共有し、瀬戸内のエリアブランディングと登録物件への誘客サポートに活用する見通しだ。
HomeAwayは、民泊はバケーションレンタルそのものではなくあくまでバケーションレンタルの一部であるとし、日本では民泊新法が閣議決定されたことによりさらに民泊供給が増え、バケーションレンタル市場の拡大が見込まれると意気込みを見せる。
瀬戸内ブランドコーポレーションによれば、「せとうち地域」は人口減少、空き家率増加、歴史的建築物の消滅危機といった課題を抱えており、特に歴史的建築物は全国に150万件ある中、瀬戸内エリアだけでも江戸から昭和期の建築物が約30万軒あり、そのうち30~45%が空き家となり今後10年から30年で消失する状況だという。同社はそうした状況を打開すべく、観光客数増大と歴史的町並みへの志向拡大を図る。
月間4,000万人が訪問し、掲載物件数200万件を誇るHomeAwayと瀬戸内ブランドコーポレーションの提携により瀬戸内地域がどのように活気づくか、今後の展開に期待がかかる。
【参照リリース】世界最大級のバケーションレンタル会社 × 日本最大級のDMO HomeAwayとせとうちDMO、インバウンド観光推進で業務提携~歴史的な資源を活用した広域インバウンド誘致を目指す~
(Livhubニュース編集部 平井 真理)
平井 真理
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