JR東日本スタートアップ株式会社と訪日客向けプラットフォームサービスを提供するWAmazing(ワメイジング)株式会社は3月7日、JR東日本の持つ資産を活かした訪日客向けサービスの充実に向け、資本業務提携すると発表した。JR東日本スタートアップはJR東日本の子会社で、ベンチャーへの出資や協業を推進するCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)。2018年2月の設立以来、9件目の出資で、訪日客向けのプラットフォームサービスへの出資は初めて。
JR東日本グループは、近年の訪日客増加に伴い、ニーズに応えるサービス展開や、各地域への情報発信を課題に掲げる。ワメイジングはインバウンド旅行者向けにさまざまな観光商品の予約・購入(宿泊やアクティビティなど)が可能なプラットフォームサービスを展開しており、日本の主要空港に設置しているSIMカード受取機を活用して日本国内でのインターネット通信環境を無償提供するとともに、利用者に対して地域の観光情報発信も可能にしている。JR東日本では、“訪日外国人旅行者向けのプラットフォームサービス”に親和性を感じるとともに、同社がすでにJR東日本グループとともに訪日外国人旅行者向けのフリーパスをアプリで予約・決済できるサービスの実証実験に着手している実績を踏まえ、資本業務提携に至った。今後は両社で駅ナカ施設などJR東日本グループの商品の販売強化や沿線地域への訪日客の誘客に向け、新規サービスの事業化を進めていく。
ワメイジングは2016年7月創業、2017年度のJR東日本スタートアッププログラムにおける「アクセラレーションコース」の採択企業となった。ウェブやアプリ、中国のメッセンジャーアプリ「WeChat」で宿泊施設・レジャー施設などの予約購入が可能で、日本国内の国際線定期便就航20空港において無料SIMカードの提供をフックに会員を増加させている。台湾・香港・中国に加えASEANに向けても拡大中の気鋭ベンチャーだ。
JR東日本スタートアッププログラムは、ベンチャー企業や様々なアイディアを有する人から、駅や鉄道、グループ事業の経営資源や情報資産を活用したビジネス・サービスの提案を募り、ブラッシュアップを経て実現していくプログラム。2017年に初めて開催し、2018年は「地域」「海外」のテーマを追加した。地域資源を活用した協業プランや、海外のベンチャー企業が日本に進出する足掛かりとなるような協業プランを募集し、「アクセラレーションコース」と、「インキュベーションコース」の2コースで、合計182件の提案があった。審査の結果、「アクセラレーションコース」18件(海外からの応募2件を含む)、「インキュベーションコース」5件、合計23件の提案を採択した。アクセラレーションコースで採択した18件は、2018年12月より順次実証実験を行っている。
(Livhubニュース編集部)
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