株式会社ジャパンネット銀行(以下、ジャパンネット銀行)が2月15日に公表した、日本のミレニアル世代を対象とした「シェアリング・エコノミー」に関する意識・実態調査によると、親世代(40~50代の既婚者)ではシェアリング・エコノミーサービスに「抵抗がある」と回答した割合が約8割だったのに対し、ミレニアル世代では「利用したい」と応えた割合が6割を超えるなど、ミレニアル世代と「シェアリング・エコノミー」との親和性の高さが際立った。
同調査におけるミレニアル世代とは、2000年以降に成人・あるいは社会人になる世代であり、現在の高校生・大学生・新社会人といった18~25歳の若年層のことだ。アメリカにおいて、このミレニアル世代が、社会や消費のあり方に大きな影響を与えるジェネレーションとして注目を集めていることを受け、ジャパンネット銀行が日本国内のミレニアル世代男女500名へアンケートを行った。
調査によると、ミレニアル世代のほとんどがシェアサービスを利用している同世代の友人・知人がいないにも関わらず、利用に対しての抵抗はないようだ。
特に関心の高かったサービスは場所・モノ・交通手段の3分野だ。場所においては民泊やシェアハウスのほか、駐車場シェアサービスなども関心を集めた。また、ファッションレンタルやライドシェアサービスといった比較的新しいサービスにも積極的な傾向がみられた。実際の利用者の割合としては、「場所」のシェアサービスが6%、「モノ」のシェアサービスが3%、「交通手段」のシェアサービスが7%だった。利用者が少なく思えるが、ほとんどが学生であることを考慮すれば5人に1人が利用というのは、そう低くはない割合といえる。
具体的なミレニアル世代のシェアサービスに対する考え方についての調査では「シェアサービスを利用するのは賢い選択だと思う」と答えた人は66%、「経済的」77%、「合理的」73%、「他ユーザーとの交流のきっかけになる」53%というかなり好意的な結果となった。因みに、親世代では「お金を払っても自分の資産にならないことに抵抗を感じる」64%、「人とのコミュニケーションを面倒に感じる」79.4%と、ミレニアル世代とはまるで正反対の考えであることが分かった。
一体、どうしてミレニアル世代はこんなにもシェアサービスと親和性が高いのだろうか?それはミレミアル世代の消費そのものに対する考え方と大きく関わっている。調査においても「モノをあまり持ちたくない」51%、「お金を使うときには合理性を重視するほうだ」66%、「モノよりも体験や人とのつながりを大事にしたい」51%などの傾向があり、シェアリング・エコノミーの理念と合致していた。
世代によって価値観は大きく異なる。2018年3月15日には住宅宿泊事業法(民泊新法)の届出申請が開始されることもあり、民泊をはじめとするシェアリング・エコノミーへの関心が高まると同時に、サービス自体への賛否が分かれている。しかし、新たな時代を担う若年層は、ものを持つことを嫌い、賢く消費することに関心があり、そのための手段としてシェアリング・エコノミーは高く評価されているようだ。シェアリング・エコノミーの利用に抵抗の少ない層は全体としては少ないが、将来は利用するのが当たり前になるのかもしれない。
【参照リリース】ミレニアル世代の“シェア消費”事情は? 利用意向・利用実態を調査
(Livhubニュース編集部 平井 真理)
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