民泊オーナーがマンスリーとのハイブリッド運用を始めるときに気をつけるべき6つのポイント

民泊運用をされているオーナーの中には、マンスリーとして貸し出すことを検討されている方も多いかと思います。しかし、「民泊」と「マンスリー」とでは異なる点がいくつかあるため、それぞれについてよく理解しておく必要があります。

前回は「民泊」と「マンスリー」のハイブリッド運用で収益最大化を図るために、それぞれの「予約管理の仕方」を工夫することが大切だとお伝えしました。今回は、マンスリー運営をするために知っておくべき「民泊」と「マンスリー」の違いについて、6つのポイントにまとめて説明していきます。

1. 要チェック!「定期借家契約」について

マンスリーマンションの運営にあたってオーナーとゲストは「定期借家契約」を仲介業者を通さずに「書面」で結ばなければなりません。また、定期借家契約は「普通借家契約」と異なり、契約終了日を定める必要があります。なぜなら、オーナーはゲストに対して、きちんと契約で定めた期間が満了したら利用を終了するということをゲストに理解してもらわなければならず、また、書面で定期借家契約を結ばないと通常の借家契約と同じになってしまい、オーナーに「正当な事由」がなければ解約に制限がかかってしまうからです。

そして、契約を結ぶ際にはマンスリーの契約となりますので、その内容は「30日以上の宿泊」とし、ゲストがチェックアウトする日と契約終了日を同日にすることをおすすめします。

なお、「民泊×マンスリー」のハイブリッド運用を手掛けてきたメトロレジデンスでは、不動産オーナーとの「パススルー型マスターリース契約」を結んでおり、合法的に物件をゲストにサブリースしています。つまり、オーナーがメトロレジデンスに貸し、メトロレジデンスがゲストに貸すという形式です。こうすることで書類手続きにかかる時間を削減しています。

2. ゲストの契約「延長・終了」をうまく行う方法は?

マンスリーマンション経営の問題の1つに、契約延長・終了に関する「ゲスト側の権利」があります。一般にマンスリーマンション、サービスアパートメントを運営している企業は、契約の延長・終了をするのに15~30日前の申請を必要としています。

そして、物件オーナーが「民泊」と「マンスリーマンション」をあわせて運用する場合、いつゲストがチェックアウトするのかは気になるところです。次の予約を受け付けることができなくなってしまうためです。

例えば、3/30にマンスリーマンション利用のゲストがチェックアウト予定だとすると、4/30まで民泊の予約を受け付けることができなくなってしまいます。

そうならないためにも、物件オーナーは「定期借家契約」の中で契約の延長・終了について明確にしておく必要があります。

例えば、メトロレジデンスでは約30%のゲストが契約延長をするため、30日前までに契約を延長するかどうかを申請してもらっており、また、次の予約を受け付ける前に宿泊中のゲストに契約終了日を確認するようにしているということです。

3. 月払い賃料とデポジット

一括で賃料を払わなければならない「民泊」とは異なり、仮に6か月間、ゲストが滞在する場合は「マンスリーマンション」では月額での賃料支払いとなります。6か月分の賃料を一括で支払うことをゲストに求めるケースはあまりありません。ただ、2か月以内の宿泊であれば一括での支払いを求めることもあります。

デポジットは1か月分の賃料が相場です。このデポジットは支払い遅延の際の保証に使われたり、部屋に破損等があった際に補填するために使われます。メトロレジデンスでは以下のような賃料・デポジットの支払いルールを定めています。

滞在期間 賃料の支払い デポジット
2か月未満 一括 家賃1か月分の50%
2か月以上 月払い 家賃1か月分

4. 予約数が増える?物件の立地と部屋サイズについて

マンスリーマンションやサービスアパートメントでは、JRやメトロとのアクセスの良さが最も重要となります。職場までのアクセスの良さを条件に挙げる方が多く、オフィス街や工業地域に近い物件は、需要が高いです。特に工業地域はホテルがほとんどないことがあり、企業からのマンスリー予約が入りやすい状況です。

そして、部屋サイズについては、1K、1R、1LDKが最も人気で、2LDKも家族と一緒に移住するという方に人気があります。

5. 「マンスリー」の部屋が快適であるわけ

マンスリーマンション・サービスアパートメントのクリーニングは民泊と大きく異なります。

まず、マンスリーでの利用を希望するゲストはチェックインするときには部屋に「とても綺麗で、前の滞在者や物件オーナーの私物が残っていない状態」を期待します。

一方、民泊の場合、割り箸や塩・砂糖、クッキングオイル等が前の宿泊者によって残されていることがありますが、民泊の清掃業者は、そのように再利用できる物は残していくこともあります。

このような状況は、マンスリーマンション・サービスアパートメントでは考えられません。マンスリーマンション・サービスアパートメントの場合は私物を全て撤去し、真新しい状態にします。また、マンスリーマンションの場合、ゲストが自分で掃除ができるように、掃除機やフロアワイパーなどの清掃用具が完備してあります。

6. トイレ用品、リネン、タオルの用意

長期滞在の場合、滞在期間分のシャンプーや石鹸を用意する必要はありません。3~4日ほど使える小さなボトルのシャンプー等があれば問題ないです。リネン・タオル類は2セット分準備することをオススメします。ゲストが自分で洗濯することもあるためです。

まとめ

民泊とマンスリーをあわせて運営する際に特に気を付けるべき6つのポイントをまとめると「定期借家契約」「ゲストの契約延長・終了」「月払い賃料とデポジット」「物件の立地と部屋サイズ」「物件のクリーニング」「トイレ用品・リネン・タオルの用意」についてとなります。民泊とマンスリーでは運用方法に大きな違いがありますので、民泊オーナーにとっては慣れない所も多いかと思いますが、こうした点に注意して運用することでうまく物件を運用することができるでしょう。

難しいと感じた物件オーナーの方は、すでに運営実績があるメトロレジデンスに相談してみてはいかがでしょうか。メトロレジデンスでは、駅近のハイエンドな部屋を中心に掲載しています。特に東京都心部駅近にそうした物件をお持ちのオーナーであれば、マンスリー運営に長けたチームがサポートしてくれます。物件の掲載から家具の購入・セッティング、日々のゲスト対応まで一括して請け負ってくれるため、負担なくマンスリー運用を始めたい場合には心強い存在となるでしょう。

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【参照ページ】民泊オーナーがマンスリーを始める時に気をつけるべき6つの項目

(Livhub編集部)

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Livhub 編集部

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