本日は、BnB Insightで取得している4月16日時点でのAirbnb掲載件数データをご紹介したいと思います。BnB Insightでは、Airbnbのリスティングデータを独自の技術で毎日収集し、蓄積しています。本日は都道府県別、市区町村別のオーソドックスな掲載件数データをご紹介します。日本の民泊市場の概要を掴むうえで参考になれば幸いです。
都道府県別Airbnb掲載件数ランキング
まずは、都道府県別のAirbnb掲載件数ランキングから見てみましょう。4月1日の改正旅館業法による民泊規制緩和以降、毎日のように「民泊」をめぐるニュースが盛り上がっていますが、一体現在日本ではどのぐらい民泊が普及しているのでしょうか?
既に国内のAirbnb掲載件数は30,000件を突破しており、その数は日に日に増加しています。都道府県別に見てみると、東京、大阪、京都が圧倒的に多く、次いで北海道、福岡、沖縄、神奈川という順で人気の観光地や大都市圏が続きます。少し見方を変えて、都道府県別の件数を割合で見てみると、下記のようになります。
上記を見て頂ければ分かる通り、東京、大阪、京都だけで全体の件数の4分の3以上を占めており、日本の民泊はこの3地域を中心に盛り上がっていることが分かります。逆に、「地方創生」の切り札として期待されることも多い民泊ですが、現状では日本の地方部ではまだAirbnbはあまり普及していないことが良く分かります。
市区町村別Airbnb掲載件数ランキング
続いて、市区町村別のランキングを見てみましょう。ここでは、全国の市区町村のうち、Airbnbの掲載件数が100件以上の自治体のみを抽出してランキング化しました。
最も掲載件数が多いのは大阪市中央区で約2,700件、次いで東京都新宿区が約2,300件、東京都渋谷区が約1,900件と続きます。上位16位までは全て東京、大阪、京都で占められていますが、17位にはじめて福岡の博多市が約400件で登場します。
福岡は東京、大阪ほど不動産市場が活況ではないため、空室対策としての民泊事業に強い関心を寄せている不動産オーナー多いという話もよく耳にします。韓国や台湾などの近隣アジア諸国とも近い福岡は、地の利も活かして今後さらに民泊物件数が増加していきそうです。
30,000件でも足りない、日本の民泊物件供給量
Airbnbの掲載件数が30,000件を突破していると聞くと、もうそんなに民泊が浸透しているのかと感じる方も多いかと思いますが、実はこの件数、需要の観点から言えばまだまだ決して多いとは言えない数字なのです。
先日、日本政策投資銀行は「日本における民泊利用の実態」を公表し、その中で、2020年時点で必要となる民泊客室数は、訪日外国人が3000万人とした場合「83,297室」となるという試算を発表しました。現状、Airbnbの掲載件数は約32,000件ですので、この試算数値は現在のAirbnbの2.5倍以上の量となります。つまり、掲載件数の増加により競争が激化していると言われるAirbnbでさえ、需要の観点から言えばまだまだ伸びる余地は大いにあるのです。
このまま順調に訪日外国人数が増え続けると、ホテルのキャパシティオーバーや宿泊価格の上昇によりさらにAirbnbへの需要は高まると考えられます。今後は都心部だけではなく地方部へも徐々に民泊が浸透していくと想定されますので、民泊をめぐる法規制については1日も早い法整備が望まれるところです。
【転載元】BnB Insight「都道府県別・市区町村別のAirbnb掲載件数ランキング(2016年4月)」
【参照サイト】BnB Insight
(Livhub 編集部)
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