緊急事態宣言でGoToトラベル停止、民泊は今後どうなる?3つの対策も

2回目の緊急事態宣言が発令され、GoToトラベル事業が停止されました。コロナショックで疲弊している民泊業の環境は、今後どのようになると予想されるでしょうか。また、民泊オーナーとしてはどのような対応が考えられるでしょうか。

本記事では、GoToトラベル停止前の民泊業、宿泊業と停止による影響、今後の民泊がおかれる環境、対応策について解説します。

1.GoToトラベル停止前の民泊業、宿泊業の状況

GoToトラベル停止前の民泊業と宿泊業の状況について、データから確認してみましょう。

※観光庁「住宅宿泊事業の宿泊実績について 令和2年8月―9月分」より引用

上記のグラフによると、既にGoToトラベルが開始されていた8月~9月の民泊の宿泊者数は、全国平均で前年同期比の3分の1にとどまっています。

特に、GoToトラベルの開始が遅れた東京では、前年同期比15%台と厳しい数字になっています。

※観光庁「宿泊旅行統計調査 令和2年11月・第2次速報、令和2年12月・第1次速報」より引用

宿泊業全体の状況について見て行きましょう。観光庁発表の「宿泊旅行統計調査 令和2年11月・第2次速報、令和2年12月・第1次速報」によると、11月までは延べ宿泊者数が徐々に回復し、前年同月比7割程度にまでなっていました。

しかし、GoToトラベルが一部地域で停止になった12月には、前年同月比6割程度にまで落ち込んでいます。

このように、宿泊業全体では、GoToトラベル事業の影響で業績が回復してきており、民泊業にも客足が戻りつつあったものの、GoToトラベルの恩恵は限定的であったといえるでしょう。

2.GoToトラベル停止とその影響

今回のGoToトラベル停止は、2回目の緊急事態宣言発令に伴うものです。その影響を予測するために、1回目の緊急事態宣言が出された時期の民泊業と宿泊業の状況について、データから確認してみたいと思います。

  • 全国における宿泊日数の合計:64,352 日(前年(4-5 月分)対比 21.4%)
  • 全国における宿泊者数の合計:29,555 人(前年同期比 8.8%)
  • 全国における延べ宿泊者数の合計:117,855 人泊(前年同期比 12.6%)

※観光庁「住宅宿泊事業の宿泊実績について 令和2年4月―5月分」より引用

1回目の緊急事態宣言が出された4月~5月の民泊の実績は、観光庁発表「住宅宿泊事業の宿泊実績について 令和2年4月―5月分」によると、全国平均で前年同期比の1割以下にまで落ち込んでいます。

また、同時期の宿泊業全体の延べ宿泊者数も、前年同月比15~20%程度にまで落ち込んでいました。

このような1回目の緊急事態宣言時のデータから推測すると、民泊業の売上は、再び例年の1割程度まで落ち込む可能性があります。コロナの感染が広がっている地域では、それ以下になる可能性もあるといえます。

また、当初は2月7日までとされていたGoToトラベル停止期間も、緊急事態宣言の延長に伴って、3月7日まで継続されることとされました。コロナ第3波の収束時期によってはさらなる延長の可能性も0ではありません。

さらに、2021年に延期開催が予定されていたオリンピックの開催も、2021年2月時点では不透明になっています。

コロナ第3波は収束しても、再び感染が拡大するおそれも考えられます。このようなことから、今後、民泊業の業績回復が急速に進む可能性は低くなっていると言えるでしょう。

3.民泊の戦略転換や転用を検討する3つのポイント

民泊業の急速な回復が厳しくなってきている情勢の下、民泊業のオーナーとしてはどのような対応策が考えられるでしょうか。

3-1.宿泊事業の範囲内で戦略転換をおこなう

1つには、宿泊事業の範囲内で戦略転換をおこなう方法が考えられます。GoToトラベルによる業績回復は民泊業では限定的でしたが、宿泊業全体では、広い範囲で効果がみられました。

また、コロナ禍のなかでも、GoToトラベルの需要増をうまく取り込むなどして売上を回復させていた民泊もあります。このような、業績を回復させた宿泊施設の特徴をつかみ、営業形態を転換させる戦略が考えられます。

3-2.宿泊事業から撤退し、賃貸物件などに転用

宿泊事業からいったん撤退し、賃貸物件などに転用するという方法が考えられるでしょう。

手元資金に余裕がなく赤字が継続していたり、ローン返済でキャッシュ・フローが厳しいような状況であれば、民泊からの撤退や転用も選択肢であるといえます。

【関連記事】民泊物件を賃貸物件に転用する方法は?必要な手続きや注意点も

3-3.物件を所有している場合は売却も視野にいれる

所有物件で民泊運営を行っている場合は、売却も視野に入れて検討することが大切です。継続・転用ではどちらも維持費や新たな投資資金を必要とするため、その分のコストが発生します。

売却査定を受けておく事で、新たな事業投資をすべきか、撤退すべきかの判断をする際の判断基準として役立てることができます。特に、将来の収益が不透明な状況下では売却価格を事前に知っておくことが重要です。

【関連記事】民泊物件の売却、おすすめの不動産一括査定サイトは?厳選3社を比較
【関連記事】民泊物件の売却、かかる費用や税金は?売却時の注意点も

まとめ

緊急事態宣言でGoToトラベルが停止になり、しばらくはコロナの終息もみえない中、民泊の急速な業績回復は難しいといえます。

ただし、宿泊業は広い範囲でGoToトラベルの効果もみられ、業績が回復してきていたことから、現状でも業績を上げることのできる民泊の形態に転換するという方法があります。また、宿泊事業から撤退し、賃貸物件などに転用するという選択肢もあるでしょう。

民泊を取り巻く市場環境が、現状から大きく改善しない可能性を考慮して、準備を進めておくことが重要なポイントと言えます。